半導体市場調査会社のIC Insightsは、2020年のマイクロプロセッサ(MPU)市場規模は前年比1.4%増の793億ドルになるとの2020年年央予測を発表した。
MPUの適用製品のほぼ半数が従来からのPC/サーバ、メインフレームといった市場であり、残りを組み込み、携帯電話などが占める形となる。2020年は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、リモートワークの増加などによってPC、サーバの需要が増加しており、当該セグメントの売上高は前年比2.2%増の417億ドルとなり、MPU市場全体の52%(タブレット含む)を占めると予測されるほか、全体の49%(386億ドル)がx86アーキテクチャに基づくMPUで占められると予測されている。
一方、Armプロセッサが大半を占める携帯電話向け市場は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う購買意欲の減少などの影響を受け、前年比3%減の209億ドル程度に留まるものと予測されている。ただし、第4四半期より徐々に市場は回復していくとも期待されており、特に次世代iPhoneをはじめとする5G対応機種の需要が増大することが予測されている。
組み込み向けMPU市場については、自動車関連が停滞するもの、データネットワーキングおよび通信機器、産業機器、医療機器などがけん引する形で、前年比5.0%増の167億ドルに成長するものと予測している。
なお、同社では2021年は新型コロナウイルスに対するワクチンが利用可能となり、ほとんどの国・地域で感染者が減少すると仮定した場合、MPU市場は同8.8%増の約863億ドルという過去最高値を更新する可能性があるとIC Insightsでは予測している。