Googleは9月14日(米国時間)、「Our third decade of climate action: Realizing a carbon-free future」において、2030年までに世界中のGoogleデータセンターおよびキャンパスで使用する電力を24時間365日すべて無炭素エネルギーで運用すると発表した。風力発電と太陽光発電を組み合わせた上で、バッテリーストレージおよび人工知能技術による最適化された電力需要予測を組み合わせることで実現するとしている。Googleはこの取り組みによって、2025年までに12000名の雇用が創出されるとも説明している。

  • Our third decade of climate action: Realizing a carbon-free future

    Our third decade of climate action: Realizing a carbon-free future

Googleは2007年にカーボンニュートラルな企業となった。その10年後となる2017年にはエネルギー使用量を100%再生可能エネルギーと一致させた企業になっている。Googleは今回、次のステップとして2030年までにデータセンターとキャンパスで使われる電力を常時無炭素エネルギーで運用することを目指すと発表した。この目標は2017年に実現した100%再生可能エネルギーと一致させるという取り組みよりも困難だとしつつ、技術を組み合わせることで実現できるとしている。

単純に考えると、風力発電は風がなければ機能しない。太陽光発電は当然ながら夜には機能しない。どちらも機能しない時間帯があれば24時間365日の無炭素エネルギー運用は実現できない。GoogleはここにバッテリーストレージとAIを使った需要予測などを組み合わせることで、絶え間なく無炭素エネルギーの供給が可能になると考えている。

また、2030年までに到達する目標の1つとして、500以上の都市や地方自治体に対して炭素排出量の削減を支援する取り組みを進めるとしている。この取り組みで削減される炭素量は1ギガトンとされており、ほぼ日本の1年間の炭素排出量に相当している。

そのほか、Googleは機械学習機能を使ってデータセンターの冷却エネルギーを30%削減した技術を、空港やショッピングセンター、病院、データセンター、商業ビル、産業施設で利用するための取り組みにも提供していると説明している。