日立ソリューションズは米Appvanceと、複数のAI(人工知能)技術を使用したWebやモバイルアプリケーション開発のテスト自動化ツールである「Appvance IQ(アップバンス アイキュー)」の国内初という販売代理店契約を締結し、9月15日に販売開始する。価格は個別見積。
新製品は、アプリケーションの新規開発時に機能や性能、セキュリティのテストスクリプトをコーディングせずに生成することが可能。
また、バージョンアップ時にはAI技術により、アプリケーションが稼働している環境をスキャンし、サーバ上のアクセスログを解析することで、回帰テストのスクリプト生成・修正を自動化できる。
さらに、スクリプトの実行から結果レポートの生成までも自動化できるため、テスト作業にかかる時間を短縮し、作業の効率化を図れるとしている。
同製品の特徴として同社は、1.AI技術の利用による回帰テストにおけるスクリプト生成・修正の自動化、2.機能や性能、セキュリティのスクリプトをコーディングすることなく生成可能、3.多様なアプリケーションの種類に対応し、課題管理・CI/CDツールとも連携可能の3点を挙げる。
スクリプト生成・修正の自動化に関して、Appvanceが特許を持つ複数のAI技術により、アプリケーションが稼働している環境をスキャンし、サーバ上のアクセスログを解析する。 これにより、実際のユーザー操作に基づいたスクリプトを自動で生成すると共に、バージョンアップ時のアプリケーションの変更内容を検知しスクリプトを自動で修正することが可能。
さらに、生成・修正したスクリプトの自動実行から結果レポートの自動生成まで可能なため、回帰テスト作業を効率化できるとしている。
スクリプトの生成に関しては、テスト担当者による画面操作をレコーディングする機能を持つ他、アプリケーションに対して300万人規模の仮想ユーザーによるアクセス負荷をかけたり、脆弱性をついた攻撃を行ったりするテストシナリオを用意しており、機能面に加えて性能やセキュリティのスクリプトをコーディングせず生成できるという。
また、セキュリティのテストシナリオは国際的な団体であるOWASPが規定した標準に準拠しているとのこと。
これにより、世界中から集められたサイバー攻撃の情報を基に規定した、重大な脆弱性の観点をクリアした信頼性の高いアプリケーション開発を支援する。
対応するアプリケーションの種類について、Webアプリケーションとしては、多くのブラウザ(IE、Chrome、Safari、Firefox、Opera、モバイル上のブラウザ)や、AngularやReactを使用したSPA(Single Page Application)アーキテクチャで構成したアプリケーションにも対応しているとのこと。
またモバイルアプリケーションとしては、iOS、Androidの両方に対応しており、連携可能なツールについては、JIRAなどの課題管理ツールやJenkinsなどのCI/CDツールとの連携も可能なため、同製品との組み合わせによりバグを早期発見し、その情報をスムーズに開発担当者に連携できるため、アプリケーション開発をより効率化できるとしている。
同社はソフトウェア開発のノウハウを生かし、PoCやトレーニング、問合せ対応を行うことで、同製品の導入を支援するという。
さらに、ローコード・ノーコード開発ツールやCI/CDツールとの組み合わせにより、開発からテスト工程までの自動化・省力化を実現し、アプリケーション開発全体の効率化も支援していく方針だ。