三井住友カードは従来から保有しているキャッシュレスデータ(クレジットカードをはじめとした取引などに関する統計データ)を戦略的に活用すべく、昨年10月からデータ分析支援サービス「Custella(カステラ)」の提供を開始。現在は、三井住友カードの取引先加盟店や提携企業、自治体などが抱える課題やニーズに応じた分析支援・解決策の提供に向けて、同サービスの付加価値向上に取り組んでいる。
また、マクロミルはマーケティングリサーチサービスやソリューションの開発・展開に取り組んでおり、国内約130万人の消費者パネルを自社で保有し、さまざまな意識データや行動データを、詳細な属性データに紐づけて提供を可能としている。
特に昨今では、顧客が保有するさまざまなデータとマクロミルが自社パネルを通じて取得するデータを同期・補完することで、顧客が持つデータの価値を高める取り組みを進めている。今後は、ネット・リサーチの会社からリサーチ×データの会社へと進化するため、データコンサルティング領域のケイパビリティを強化しており、2020年3月にはデータコンサルティングサービス「MAG(マグ)」の提供を開始。
こうした中、業務提携ではCustellaにおいて、マクロミルがMAGで獲得したさまざまな知見を活用することで、Custellaの分析設計や考察・示唆の導出のレベルアップを図る。これにより、アナリストやデータエンジニアがデータ分析設計やレポーティング、データの集計を行う上で効果的なデータマネジメントの実現が可能になるという。
一方、マクロミルはキャッシュレスデータを持つ三井住友カードとの協働をリサーチ×DATAの会社への進化と顧客からのパーセプション・チェンジ(認識変容)に向けた、先行的なパイロット案件の1つと位置づけ、同領域における知見と実績、競争優位性の向上を図る。
その上で、両社は相互にアセットを活用することで、Custellaの付加価値を向上させると同時にデータコンサルティング領域におけるMAGのケイパビリティを拡大していく考えだ。こうした取り組みを通じて共同で企業の戦略的なデータの利活用の促進を目指す。