インターネットイニシアティブ(IIJ)は8月31日、産業機械や工場設備をIoT化するための各種デバイスからセキュアなネットワーク、クラウドに加え、デバイス管理機能やデータを見える化するアプリケーションまで包括的に提供するソリューション「IIJ産業IoTセキュアリモートマネジメント/Machiney」および「IIJ産業IoTセキュアリモートマネジメント/Factory」の提供を開始した。同ソリューションでは、産業機械・計測器メーカー向けの「Machinery」と、工場設備・生産管理部門向けの「Factory」の2種類を用意している。
IIJは、昨年発表した台湾のAdvantech(アドバンテック)との協業に基づき、同社の産業IoT向けプラットフォーム「WISE-PaaS」にIIJのセキュアなネットワークとクラウドサービスを組み込んだ「WISE-PaaS IIJ Japan-East」を共同開発し、今年からクラウド「IIJ GIOサービス」上で提供している。
新ソリューションは、同プラットフォームにエッジデバイスやネットワーク機能を組み合わせ、産業機械、工場設備の稼働情報を取得するための各種エッジデバイス(アドバンテック製ゲートウェイ機器、産業PC、センサなど)、稼働情報のクラウドへのアップロード、各種エッジデバイスへリモートアクセスするための閉域ネットワーク(IIJモバイルサービス、IIJ IoTサービス)、稼働情報を収集・蓄積し、見える化を行う産業用クラウドおよびアプリケーション(WISE-PaaS)などをワンストップで提供する。
これにより、産業機械や工場設備のリモートモニタリング、リモートメンテナンスを行うことなどを可能としている。主な特徴として、IIJの閉域ネットワークやデバイス管理機能とアドバンテックが提供する産業向けのハードウェアやクラウドプラットフォーム(PaaS)を組み合わせ、デバイスからクラウドまでを包括的に提供。
また、IIJモバイルサービスを使い、産業機械や工場設備からデータを収集するIoTネットワークを構築することができ、工場内での有線敷設が不要になるためネットワーク構築が容易になり短納期で導入を可能としているほか、アドバンテックのゲートウェイ機器に搭載されたデータ収集ソフトウェア「EdgeLink」は、200以上の機器に対応しているため、PLC/CNCなどのメーカーを特定することなく、幅広い産業設備を対象にデータ収集ができるという。
さらに、IIJ IoTサービスを利用することで、ゲートウェイ機器の正常稼働を監視し、制御などをリモートで行え、従来は現地対応していた診断業務を遠隔操作でき、メンテナンス業務を効率化することに加え、製造・生産にかかる機密データはインターネットを介さずに収集したいというニーズに対応し、閉域ネットワークでゲートウェイからクラウドへ安全にデータを送信、管理することを可能としている。
産業機械・計測器メーカー向けソリューションであるIIJ産業IoTセキュアリモートマネジメント/Machineryは、機械メーカーが異なる顧客、また異なる地点に設置した複数の産業機械、計測器をIIJのネットワークに接続し、リモートで監視できる環境を提供する。ネットワークを活用することで、メンテナンスの効率化や消耗品、設備異常に対して先回りして対応することを可能とし、納品先のエンドユーザに対するアフターメンテナンスの満足度向上につなげられるという。
工場設備保全・生産管理部門向けソリューションのIIJ産業IoTセキュアリモートマネジメント/Factoryは、設備保全・生産管理部門が設備の健全性、生産稼働率を可視化して管理するプラットフォームを提供。設備稼働監視によるダウンタイムの削減、工場やライン全体の生産稼働率の把握、カメラ映像による設備監視、温湿度、電力量など計測器のIoT化をはじめ、目的に応じたシステムをWISE-PaaSのテンプレートセットから選択できる。