北米製および日本製半導体製造装置の2020年7月度販売額がともに前年同月比、前月比ともプラス成長となり、世界規模で半導体製造装置の売れ行きが好調に推移していることが明らかになった。
7月度の北米製半導体製造装置販売額は前年同月比27.6%増の26億ドル
国際半導体製造装置材料協会(SEMI)によると、北米を拠点とする半導体製造装置サプライヤ(米国外での製造分を含む)の2020年7月度(3か月の平均ベース)の世界市場での販売額は前年同月比27.6%増、前月比11.8%増の25億9000万ドルに達したという。
SEMIのプレジデント兼CEOであるAjit Manocha氏は、「7月の北米製半導体製造装置メーカーは2桁成長を示し、2020年下半期の幸先の良いスタートとなった。このような力強い成長率は、今日の世界における半導体業界の重要性と、長期的な業界の成長のための原動力を反映している」と述べている。
7月度の日本製半導体製造装置販売額は前年同月比22.6%増の1880億ドル
また、日本半導体製造装置協会(SEAJ)が明らかにした日本製半導体製造装置(日本企業の海外工場での製造分や日本企業からの輸出分を含む)の7月度販売高(5~7月の3カ月移動平均)は、前年同月比22.6%増、前月比4.2%増の1879億6600万円であり、前年同月比で8カ月連続の増加を達成した。ちなみに3月に前月比2桁増のプラス成長を果たし、その後一度マイナスに転じるのは年度末の駆け込み需要の影響によるものである。
2020年は年初から7月まで、半導体製造装置販売は、新型コロナウイルスによる影響を受けずに北米製、日本製ともに好調に推移してきたが、下期は、在宅勤務や遠隔授業などによるサーバやPC需要一巡をうけて半導体メモリの価格低下や販売額の下落が見込まれており、設備投資を抑制する可能性が高いが、一方でTSMCなどのファウンドリの設備投資は旺盛である。
こうした市場背景からSEMIは、7月に開始されたSEMICON Westに際して、2020年のグローバルな半導体製造装置市場について前年比6%増の632億ドル、そして2021年は同11%増の700億ドルと、史上最高額を更新することが予測されると発表した。2020年上半期は北米製も日本製も2桁成長しているにもかかわらず、2020年通年の予測を同6%と控えめにしているということは、SEMIは下半期にマイナス成長すると予測しているようであるが、その根拠は説明されていない。