Linuxディストリビューション「Ubuntu」の開発元であるCanonicalは8月25日(米国時間)、「Kubernetes 1.19 available from Canonical|Ubuntu」において、Kubernetes 1.19のエンタープライズサポートを発表した。サポート対象には、KubernetesディストリビューションであるCharmed Kubernetes、MicroK8s、kubeadmが含まれている。
MicroK8sとCharmed Kubernetesは、それぞれCanonicalが提供しているKubernetesのディストリビューションである。MicroK8sは、Kubernetesの機能は損なうことなくシングルスナップパッケージ化された軽量のKubernetesで、PCやRaspberry Piといったエッジ環境やIoTでの利用に最適化されている。一方で、IstioやLinderd、Knative、Jeagerといったフレームワークもバンドルされており、エンタープライズレベルの要求も満たしている。
Charmed Kubernetesは、マルチクラウドおよびハイブリッドクラウドの本番環境での利用に最適化したKibernetes。幅広いクラウドでの利用を想定しており、複数の物理マシンや仮想マシンでのK8sクラスターを構築したいケースで威力を発揮する。
Kubernetes 1.19のリリースに伴って、MicroK8sおよびCharmed Kubernetesもそれぞれバージョン1.19にアップデートされる。MicroK8s 1.19では、複数のネットワーキングをサポートするMultusアドオンや、異種サービス間のAPIゲートウェイとして動作するAmbassadorアドオンなどが新たに追加されるという。また、Istioをはじめとする既存のアドオンも最新版にアップデートされるとのことだ。
Charmed Kubernetes 1.19は、IPv6のサポートとCIS(Centre for Internet Security)ベンチマークへの準拠が主な変更点として挙げられている。また、SR-IOV(Single Root I/O Virtualization)がサポートされたことによって、より高速なネットワーキングシナリオを処理できるようになるという。