シスコシステムズは、従来オンプレミスで提供していたCisco Unified Communications Manager(CUCM)をシスコのWebexデータセンターで運用、ホストする「Cisco UCM Cloud」を提供開始すると発表した。
Cisco Unified Communications Manager (CUCM)は、音声・ビデオ・メッセージなどのコミュニケーションを統合してユーザーに提供するための呼制御サーバ。
「Cisco UCM Cloud」は、Cisco Unified Communications Manager(CUCM)をクラウドで運用、ホストし、顧客ごとに個別環境で提供するホステッド型プライベートクラウド。すでに、欧米では提供しているが、新たに国内でも提供する。なお、オンプレミス型も継続して提供していく。
シスコシステムズ クラウド&ホスティッドコーリング営業部 マネージャ 泰道亜季氏は「在宅に向けWeb会議にはすでに対応しているが、電話対応はこれからで、お客様から相談いただくことが多い。スマートデバイスで対応しているお客様もいるが課題は運用コストで、会社の代表電話対応のために出社している企業も多い。会社と在宅で対応を変えずに、内線や外線が使えることが重要だ」と、在宅での電話対応のため、クラウド対応が求められている現状を説明した。
シスコは2019年10月より、パブリッククラウド コーリングサービス「Cisco Webex Calling」をサービスプロバイダーを通じて提供しており、こちらはパブリッククラウドで3rdパーティー製品連携に制限があるが、Cisco UCM Cloudは個社ごとにプライベートCUCM環境を提供し、3rdパーティー製品の連携も可能で、より大規模で安定的な品質のほか、セキュリティを求めるユーザーに向いている。なお、本社はCisco UCM Cloud、新規拠点はCisco Webex Callingといったハイブリッドな利用も可能だという。
泰道氏は、「従業員1000人以上の金融、公共系に積極的に展開したい」と語った。
また、シスコシステムズ 執行役員 コラボレーション アーキテクチャ事業担当 石黒圭祐氏は、「これからは、在宅とオフィスなど、メッシュ型にいろんな人がつながることになる。これまでの社内だけでなく、今後は社外のためのオンライン化が必要になる」と語った。
また石黒氏は、自宅でオフィスと同等の働く環境を提供するため、今後、ハードウェアをセットに特別価格で提供するCisco Webex働き方改革支援特別プラン(ビデオ端末版)を提供することを明らかにした(9月以降にプラン詳細を発表)。
そして、シスコシステムズ 代表執行役員社長 デイヴ・ウェスト氏は、「Cisco Webexはこの1年で会議参加者数は毎月120万人から1050万人に、会議開催数は35-40万回だったものが、160万回から170万回になるなど、お客様数は3倍、会議開催数は5倍、会議参加者数は8倍になり、Cisco Webexがセキュアビジネスのための真のプラットフォームになった。日本では急速にデジタルシフトが起きている状況で、フレキシブルな働き方を進めていくためにはコラボレーションソリューションが必要だ。シスコのコミットメントは、すべての“セキュアリモートワーカー”を支援することだ。そのために、人、プロセス、ツールに注目している」と語った。