アリババクラウドは8月19日、データベース製品「ApsaraDB for PolarDB」の拡張機能である「グローバル・データベース・ネットワーク(Global Database Network)」が日本でも利用可能になったと発表した。
「ApsaraDB for PolarDB」はマネージド分散なリレーショナル・データベースで、今年6月に国内での提供が開始された。アリババクラウド・ジャパンサービス インターナショナル ソリューション アーキテクトの奥山朋氏は、PolarDBを使い始めた国内のユーザーから寄せられたフィードバックについて、「性能がいい、TCOが安いという声をもらっている」と語った。
同社はAmazon Web ServicesやMicrosoftといった競合と比べると後発だが、それゆえ、「最新の機器を活用してインフラを構築することで、性能の良さと低コストを実現している」と、奥山氏は述べた。
一方で、奥山氏は「他社では既に提供していて、クラウドに慣れているユーザーが求める分散機能がPolarDBにはなかった。そうしたニーズに応えるのが、Global Database Network」と説明した。
「Global Database Network」により、PolarDBのクラスタは距離の離れた地域に分散して配置できるよ うになる。データはアリババクラウドの内部国際ネッ トワークを介して国際間で同期し、遅延の少ない高品質なサー ビスを各地域で展開できるようになる。
「Global Database Network」では、5つのリージョンに分散可能で、レイテンシーは2秒以下となっている。非同期のレプリケーションモードにも対応している。
「Global Database Network」は、大規模なデータベースやデータベースの高速処理を必要とするグローバル企業の課題を解決するという。
奥山氏は、同日に発表された「アリババクラウドセキュリティ・ホワイトペーパー国際版2.0」についても、説明を行った。これは、アリババクラウドのセキュリティポリシーが記載されたもので、今回、2020年4月に刷新されたものの日本語版が公開された。
主に、以下について書かれている。
- セキュリティの責任共有
- セキュリティコンプライアンスとプライバシー
- Alibaba Cloud インフラストラクチャ
- Alibaba Cloud セキュリティアーキテクチャ
- Alibaba Cloud 製品のセキュリティ機能
- Alibaba Cloud Security のセキュリティサービス
- Alibaba Cloud のデータセキュリティシステム
奥山氏は日本のユーザーに関わりがある内容として、日本リージョンにおけるセキュリティ関連の認証取得の状況を紹介した。個人情報保護「JISQ15001」、クラウドセキュリティ「ISO27017」、クラウドにおける個人情報保護「ISO27018」のほか、外部監査の国際認証「SOC」にも準拠している。
日本では、内閣サイバーセキュリティセンターが「政府機関等の情報セキュリティ対策 のための統一基準群」を決定したが、政府がこれを満すことを支援するため、アリババクラウドはユーザーガイドを公開していることも紹介された。
このユーザーガイドは政府部門のユーザーが クラウドへの移行時に直面する可能性のある障害を軽減することを目的として作成されており、共有責任モデルに基づいてAlibaba Cloudと政府部門の顧客の責任について説明している。