Fossbytesは8月12日(米国時間)、「Your Android Phone Can Be Part Of A Worldwide Earthquake Alert System」において、GoogleがAndroidスマートフォンを利用した地震警報システムの最初のバージョンを公開したことを伝えた。この警報システムは、Androidスマートフォンの加速度センサーを利用して地震を検出し、緊急アラートを発信するのに利用しようというもので、地震計を設置するよりも安価に地震動を監視できるというメリットがある。
通常の地震警報システムは、対象とする地域に広範囲に地震計を設置し、その信号によって地震動を監視することで地震の発生を検出する。現在では、地震が検出された際により多くの住民に確実に警報を届けるためにスマートフォンも広く活用されている。日本では、緊急地震速報として知られているシステムである。しかし、このシステムを有効な規模で構築するには多大なコストが必要となる。
そこで、Googleはスマートフォンの活用を一歩進めて、Androidスマートフォン自体を地震計として利用する技術の開発に取り組んでいるという。知ってのとおり、Androidスマートフォンには加速度センサーが付属している。この加速度センサーを利用して地震と思われる振動を検知したら、スマートフォンはサーバに信号を送信する。サーバでは集まった大量の信号を解析して、実際に地震が発生しているかどうかの判断を行う。
この技術を利用すれば、個人が持つスマートフォンが小さな地震計に早変わりし、本物の地震計を設置するよりもはるかに安価に地震動を監視するネットワークを構築できる。当然ながら、スマートフォンの加速度センサーでは実際の地震計のネットワークほど正確なデータ集計は期待できない。しかし何百万というスマートフォンからデータが集めることができれば、有効な解析が可能になるかもしれない。
Googleによる地震警報システムに対するこれらの取り組みについては、Androidに関する公式ブログの下記のエントリで解説されている。
この地震警報システムは、最初はすでに地震計ベースのネットワークが確立されているカリフォルニアでテストされるという。そして適切な調整と改良を行ったのちに、今後1年間でより多くの州や国に展開する予定とのこどだ。