Huaweiは、5nmプロセスを採用したアプリケーションプロセッサ(AP)を2020年9月5日に発表するのではないかとのうわさを中国の複数のメディアが報じている。
Huaweiは、2019年9月6日に独べルリンで開催されたIFA(Internationale Funkausstellung)で、7nm+ EUVプロセス採用の5Gスマートフォン(スマホ)向けAP「Kirin990」を発表していたが、2020年のIFAは、9月3-5日にバーチャル開催される予定で、Huaweiはその場で新たなKirinチップを発表する可能性が高いという。
以下に中国のスマホ業界関係者や台湾半導体業界関係者の間に出回っている非公式なうわさレベルの情報を羅列してみた。Huaweiは発表日前に情報を一切開示しない方針であるので、真偽は不明であるが、ある程度の情報が中国内でリークされている模様である。
- Huaweiは、IFA2020において9月5日に5nm採用APを発表する模様である
- そのチップの名称は、今まで言われていた「Kirin1020」ではなく「Kirin1000」のようである
- このチップはTSMCの5nmプロセスを使って量産されているが、米国商務省の命令で9月中旬以降、TSMCはHuaweiへ出荷できなくなる
- TSMCは、同社の最先端5nm EUVプロセスを採用して、Kirin1000以外にApple iPhoneの次期モデル用APも大量生産しているが、そちらは毎年秋に実施されているiPhone本体の発表と同時に行うことが通例であるため、Kirin1000が世界初の5nm製品の発表となる模様
- Huaweiは、このチップを9月末から10月にリリース予定の同社の旗艦5Gスマホ「Mate 40シリーズ」に採用する見通し。Huaweiにとって、Mate 40が、Kirinチップ搭載の最後のスマホになる可能性が高い
- TSMCからのKirin1000チップ出荷数量は限られているため、世界中に出荷するすべてのMate 40に搭載するには足らず、海外モデルには他社製APを採用する可能性が高い。SMICは半導体プロセスで後れをとっているため、Kirin1000の製造を受託できない。Kirin1000代替チップとしてはMediaTekのAPが採用される可能性が高い
- Huaweiは、MediaTekから型番は不明ながら半導体チップを大量に購入し始めているとの情報があるが、MediaTekは個別の顧客情報に関してノーコメントとしている
- Kirin1000チップにはArm Cortex-A78 CPUコアが搭載されている可能性が高い。チップ面積は113.31平方mmで、1平方mmあたり1億7130万トランジスタを搭載していると見られている