The Document Foundationは8月5日(米国時間)、オープンソースのオフィススイートであるLibreOfficeの最新版「LibreOffice 7.0」をリリースした。LibreOffice 7.0は2020年1月にリリースされたバージョン6.4に続くメジャーリリースで、オープンな文書フォーマットであるODF(OpenDocument Format) 1.3、グラフィックスエンジン「Skia」およびGPUベースのグラフィックスAPI「Vulkan」のサポートなどが追加されている。
LibreOffice 7.0は次のページよりダウンロードすることができる。
LibreOfficeでは以前からネイティブの文書フォーマットとしてXMLベースのODFをサポートしているが、バージョン7.0ではその最新版となるODF 1.3のサポートが追加された。ODF 1.3では、XMLドキュメントに対するOpenPGPベースで暗号化されたデジタル署名や、標準機能としての変更履歴の追跡などが可能になっている。
Microsoft Officeのファイル形式であるDOCX、XLSX、PPTXとの互換性も向上している。例えば、DOCXは従来の2007互換モードではなく2013/2016/2019モードで保存できるようになった。XLSXは31文字以上のシート名を持つファイルの書き出しや、チェックボックスの書き出しなどをサポートしている。
グラフィックス関連では、Windowsにおけるレンダリング用のグラフィックスエンジンが従来の「Cairo」から「Sika」に変更されている。これによって、低レベルレイヤのAPIとしてGPUアクセラレーションをサポートした「Vulkan」を利用できるようになり、描画パフォーマンスの向上を期待することができる。
ビジュアルの変化としては、新たに「Sukapura」というアイコンテーマが追加されている。SukapuraはmacOSのヒューマンインタフェースガイドラインに定義されているAppleのカラーパレットに準拠したもので、macOS版のLibreOfficeではSukapuraがデフォルトのアイコンテーマとして設定されることになる。
個々のアプリケーションでもさまざまな改善が行われている。ワープロソフトのLibreOffice Writerでは、半透明のテキストやパディングされた番号付き箇条書きがサポートされたほか、オートコレクト機能も改善された。表計算ソフトのLibreOffice Calcでは、乱数生成関数の改善や表計算関数における正規表現の評価の改善などが行われた。プレゼンソフトのLibreOffice ImpressやドローソフトのLibreOffice Draeでは、半透明テキストのサポートや、200インチ(508センチ)以上のPDF生成のサポートなどが、主な改善点として挙げられる。
そのほか、LibreOffice 7.0における変更点の詳細については、下記のリリースノートにまとめられてる。