ソニー、東京大学(東大)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の3者は8月5日、JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)プログラムに基づき、「宇宙感動体験事業」の創出に向けた共同開発・技術実証契約を締結したことを発表した。
同契約では、ソニーが主体となって、ソニーのカメラ機器を搭載し、地上から自由にリアルタイムで遠隔操作できる人工衛星を開発し、宇宙から映像をリアリティのある視点から届けることを目指すとしている。
具体的にソニーでは、イメージングやセンシング、通信などの技術を活用して人工衛星のミッション部の開発やシステム構築を担当し、衛星から捉えた宇宙空間や地球の映像を用いたこれまでにないコンテンツや体験など、新たな宇宙エンタテインメントの創出をさまざまなクリエイターやパートナーとともに探索するとしている。
また東大は、同大大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻航空宇宙システム学講座の中須賀真一 教授らが開発した超小型探査機「PROCYON」をはじめとする超小型衛星システムや超小型推進系の開発ノウハウをもとに、人工衛星のバス部や推進系の開発支援を行い、将来的な高度な宇宙ミッションの実現および持続可能な宇宙開発/利用を目指すとしている。
さらにJAXAが、人工衛星の開発・運用や国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟の利用・運用で培ってきた技術力とプロジェクト経験を活用し、技術支援を行うほか、ソニーが策定する事業・研究開発計画の検討を支援していくとしている。加えて、今回の衛星の運用では、自由かつリアルタイムで遠隔操作する衛星搭載カメラで撮影した映像を地上に届けることを目指していることから、一連の衛星開発に係る検討支援などを通じて、将来のJAXA自身のミッションにも有用となる新たな知見や技術の獲得を目指すともしている。