半導体・電子部品商社マウザー・エレクトロニクスは8月4日、2020年度の事業概況などに関するオンライン説明会を開催。新型コロナウイルスの感染拡大が世界的に続く中、好調な業績をアピールした。
Mouser Electronicsバイスプレジデント,APAC マーケティング&ビジネス・デベロップメントのダフネ・ティエン氏は、「在宅勤務が世界的に浸透したことが、オンライン商社である同社に追い風になった」とコロナ禍でも成長を達成した背景を説明。2020年上半期を振り返ると、同社の業績は、グローバルで前年同期比6%増、アジア太平洋地域だけに限ると、同18%増と米州、欧州に比べて高い伸びを示したという。
また、同社のWebサイトへのアクセス数も競合他社含めて新型コロナウイルスの問題が生じて以降、下落が続いているが、下落幅を抑えることができており、結果としてアクセス数トップを獲得したとしている。さらに、2020年上半期の新規顧客数も同1.6%増の12万3500と伸ばしており、そのうち63%が米国外からの顧客であったとする。
同社は2020年第2四半期より自動で注文があった部品をピックアップするロボット「VLM(バーティカルリフトモジュール)」の稼働を本格化。2020年8月時点で55台のVLMが稼働しており、これにより従来比で25%のピックアップ時間削減が可能となるとしており、今後、さらなる効率向上を目指していくほか、人間がピックアップ作業を行うスペースが不要になるため、倉庫スペースの削減や在庫数の拡大を同時に図っていき、現在の取り扱い点数約107万点をさらに増やしていきたいとしている。
オンライン需要の増加で日本も業績好調
2020年にオフィス開設5周年を迎えた日本地域について、マウザーの日本総責任者で本社副社長でもある勝田治氏は、「2020年上半期の業績は前年同期比で約20%増。新型コロナの感染防止が求められる中、オンラインで変えるマウザーの利便性と優位性が評価された。その結果、顧客数も同7%増と増加することができた」との見方を示す。
また、マクニカとのコラボレーションも同社の追い風になっているという。「(共同運営の)マクニカマウザーを通じた売り上げと顧客数が増加していることも成長の背景にある」とする。
さらにマーケティング活動にも新型コロナの感染拡大を機に変化が訪れたとしており、イベントへの出展をリアルからバーチャル方式へと変えたりウェビナーの開催を増やすなど、バーチャルでの取り組みを強化していっているとするほか、即時性の高いTwitterの活用を2020年上半期には積極的に行い、キャンペーンなども実施することで、フォロワー数は従来の800人から一気に8000人に増やすことができたとのことで、今後も継続してTwitterの活用を行っていきたいとしている。
なおマウザーではグローバルで常に新しいやり方でエンジニアへのコネクションを構築していくことを進めているとのことで、今後もバーチャルを積極的に活用した形での取り組みを加速させ、ユーザー数の増加を図っていきたいとしている。