デル・テクノロジーズは、2019年12月9日~2020年1月24日に、従業員数100~1000人の国内中堅企業1,300社に対して行った「IT投資動向調査」について、 約470社に対して2020年6月8日~2020年7月3日に追跡調査を行い、その分析結果を発表した。
追跡調査はIT動向やセキュリティおよびリスク対策状況など、全部で63問の質問を行った。その結果、今年の1月に比べリモートワークが大幅に進んだ一方で、 「コミュニケーションが取りづらい・時間がかかる」「Web 会議やチャットツールの習熟度に個人差」などの課題も明らかになったという。
今回の調査では、テレワーク・在宅勤務を実施した企業が63.9%に上り、1月調査の25.1%と比較すると38.8%増加した。しかし、今後のテレワークを継続する企業は54.1%に留まり、1割近くがテレワーク継続を断念しているという。
テレワーク・在宅勤務を継続しないと回答した企業は、テレワークにより気づいた課題として 「コミュニケーションが難しい・時間がかかる」「チャット・Web 会議ツールなどの習熟度に個人差があり業務の円滑な進行を妨げる」をあげており、社内ユーザーのITリテラシーのギャップが、長期化するテレワーク環境下で問題として浮彫になった。
また、オフィスへの安全なアクセス環境が準備されていないため、メール以外の社内システムに接続できていない企業が全体の60.7%を占め、オフィス出社時と同等レベルの業務を継続するために必要な投資が行われていない実情が明るみになった。
そのほか、「現状に対してどこまで対策が必要なのか分からない」、「経済環境が不安定でどこまで投資できるか分からない」、「印刷・押印による出社要求がどうしてもなくならない」、「IT部門の問い合わせの急増による業務負荷の増大」なども、テレワークにおける課題として判明したという。
課題を踏まえた追加支援策を発表
今回の調査結果を受けて同社は、新たに「働く環境」「仕事の仕方」「コミュニケーション」の3つの分野おける「中堅企業支援施策」を実施するという。
「働く環境支援」では、テレワーク アセスメント/コンサルティングを強化し、「人」「場所」「デバイス」「業務」における、ペルソナ化から目指すべきレベルまでのロードマップと実行計画の策定を支援するほか、正午までの注文で当日出荷を行う「ノートパソコン即納モデル(Latitude 3510)」を用意した。また、3カ月無償利用可能な36カ月と60カ月のPCレンタルプログラムも提供する。
「仕事の仕方支援」では、調査から「押印や印刷のための出社:40.4% 」「請求書や帳票発行のための出社:38.9% 」とペーパレースに起因する課題がトップであったことから、パナソニックインフォメーションシステムズとの協業により、ペーパーレスソリューションパッケージの提供を開始する。
また、IT部門の問い合わせ急増に向け、7月31日まで提供していた無償受付のマルチベンダー サポートを来年の3月末まで延長し、ZoomやMicrosoft TeamsといったチャットやWeb 会議ツールの使い方の関するサポートも追加で実施する。
「コミュニケーション支援」では、デル・テクノロジーズから購入した顧客向けに、テレワーク ツールの活用法に関する無償のオンライン講座を提供するほか、中小企業診断士とのコラボレーションにて、管理者向けのコミュニケーション講座を開講する。
そのほか、同社は、2月の記者発表において、「共有」、「学習」、「育成」、「実践」、「支援」の5つの領域で支援を行っていくことを発表したが、今回、「共有」、「学習」、「育成」の場をオンライン化することもあわせて発表された。
デル・テクノロジーズ 上席執行役員 広域営業統括本部長 瀧谷貴行氏は、「今回の調査から、変革しなければならないことに気づいてはいるが、課題により新たな取組に着手できないことが浮き彫りになった。従来の仕組みにとらわれず、抜本的に改革し、新しい社会の仕組みをつくることを今すぐ始めることが重要だ」と語った。