米IC Insightsは、世界半導体市場統計(World Semiconductor Trade Statistics:WSTS)が定義して集計している33のIC製品カテゴリについて、2020年の販売額および出荷数量それぞれのランキングトップ5予測を発表した。
2020年のIC製品販売額トップはメモリ
同社は7月30日時点で、2020年のIC市場の規模を3683億ドルと予想しているが、そのうちシェア17.5%に相当する646億ドルをDRAMが占めると予測している。2番目の市場規模はシェア15.2%の560億ドルを占めるNANDで、同社では全33IC製品カテゴリの中でもっとも高い成長率となる前年比27.2%増と予測している。DRAMとNANDを合わせたメモリ製品カテゴリは、2020年のIC販売のほぼ3分の1を占める予測となる。
販売額3~5位はマイクロプロセッサ関連が占めるとの予測となっている。2020年のこれら製品市場は年初に予測されたほどの力強さは示していないが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によるオンライン活用需要が増大、当初は中国やアジアでのサプライチェーンの途絶などで減少したものの、第2四半期に盛り返しを見せており、コンピュータ向けCPU/MPUが417億ドルで3位、コンピュータ/ペリフェラル向けロジックが288億ドルで4位、スマートフォン(スマホ)向けMPUが209億ドルで5位と予測されている。
5位のスマホ向けMPUだが、パンデミックの影響で2020年上期の市場は大きな打撃を受けたものの、下期は5Gがけん引役になって徐々に改善する見通しが示されており、最終的には前年比3%減程度に収まるものとしている。
出荷数量が多いのはアナログ半導体
2020年のIC市場における製品カテゴリ別出荷数量ランキングのトップ3は、すべてアナログ半導体になるとIC Insigtsは予測している。
数量出荷数トップとなるパワーマネージメントアナログICは、2位のワイヤレス向けアナログIC、3位の産業向けアナログICの合計出荷数よりも多くなる見込みとなっている。ただし、上位3製品ともに前年比では出荷数量を減らす予測となっている。
出荷数量4位はDRAMで、こちらはオンライン活用の増加を背景としたPC、サーバの出荷数増に合わせて同7.5%増の約186億個へと増加させる見込みとしている。