NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は7月29日、シスコシステムズ及びVMwareの製品を使用し、ユーザー企業個別のニーズに応じて最適にカスタマイズ可能というSoftware-Defined WAN(SD-WAN)ソリューションである「Managed SDx」を提供開始した。
同社は2017年3月から、専用線・IP-VPN・インターネット・モバイルなど複数の回線上で、ソフトウェア制御によりオーバーレイネットワークを柔軟に構築・管理できるSD-WANサービスである「Software-Defined Network Service(SD-NS)」を提供。一方で、SaaS利用の拡大により、拠点から直接インターネット経由でアプリケーションを利用するなど、ユーザー企業のニーズが多様化しており、同社は従来のSD-NSに加え、今回Managed SDxの3つのメニューを新たに提供することで、幅広いユーザー企業の要望に応えていくとしている。
新ソリューションでは、「Type-C」「Type-M」「Type-V」の3メニューを提供。
インターネット向け通信を分離しSaaSの利用を快適にするローカルブレイクアウトなど基本機能に加え、コントローラーによる集中管理が可能とのこと。合わせて、SD-WANの設計・構築やコンサルティングの一元的な提供が可能だという。
Type-Cは、シスコのネットワーク製品である「Cisco SD-WAN」を使用し、WAN制御やより高度なセキュリティ対策が可能となるSD-WANを提供するメニュー。種類やポリシーが異なるネットワークを制御する機能や、SaaS利用に必要となるアプリケーションファイアウォールやURLフィルタリングなど、高度なセキュリティ対策を合わせて実現可能とのこと。
同メニューは、複雑なネットワークを持つ企業に適するとしている。
Type-Mは、シスコのクラウド管理型ネットワーク製品である「Cisco Meraki」を使用し、基本機能に特化してシンプルな運用を実現するというSD-WANを提供するメニュー。 Cisco Merakiの無線LANを導入していれば集中管理ができるため、仮に不具合が生じた場合などは早期の原因特定を可能になるという。
同メニューは費用対効果に優れているといい、シンプルなネットワークをより多くの拠点に展開する企業に適するとのこと。
Type-Vは、VMwareのネットワーク製品である「VMware SD-WAN by VeloCloud」を使用し、より安定した通信が可能になるというSD-WANを提供するメニュー。WANの制御に加え、拠点間の通信で生じるエラーの補正や、複数の回線を束ねて疑似的な広帯域のネットワークの生成などができるため、通信中に生じる乱れや途切れの抑制が可能という。
同メニューは、SaaSへの接続品質を向上させ生産性向上を目的とする企業や、通信品質の安定しない海外拠点へのSD-WAN導入に適するとしている。