JTBとNECソリューションイノベータは7月28日、東京都心とその郊外のホテルの遊休スペースを使用するシェアオフィス事業を8月31日に開始すると発表した。

まずは東京都とその周辺都市でサービスを開始し、2021年3月頃までに名古屋及び大阪へ提供エリアを広げ、利用企業のニーズに応じて順次拡大して2022年3月までに全国展開を目指す。

新型コロナウイルスでテレワークの普及が加速する一方、集中して仕事をする環境や安定したインターネット環境やオンとオフの切り替えなど、自宅等での仕事環境を巡っては多様な課題も浮上した。

今後、多様な働き方が進みテレワークが定着していくと予想される中、全国に広域ネットワークを持つというJTBとICTで社会課題を解決するというNECソリューションイノベータが協業し、作業環境の課題解決と企業のテレワーク推進を後押しするため、新事業を展開していくという。

同サービスでは、場所や時間にしばられない多様な働き方を提供すると共に、稼働していないホテルの客室や会議室、宴会場などの遊休スペースをシェアオフィスとして利用することで、ホテルに新たな収益モデルを提供するとしている。

  • サービスのイメージ

ホテル業界共通の「宿泊施設における新型コロナウイルス対応ガイドライン」に則ったホテルの遊休スペースを利用することで、安心安全にテレワークを導入できるという。また、既存の施設を利用するため、ネットワークに接続可能なPCがあれば追加の設備投資は不要で、手頃な価格帯で利用できるという。

社員の居住地に応じて利用可能なホテルが選べることに加えて、出張や外出の隙間時間にワークスペースとしての利用も可能としている。

形態に関しては、利用シーンに応じて複数の利用者が場を共有するコワーキングスペースから個室まで利用形態を選択できるという。

  • サービス利用の流れ

メールの処理や書類作成などの場合は会議室などのコワーキングスペースを利用し、オンライン会議など周囲に聞かれたくない場合は客室を利用する、といった利用方法が可能とのこと。

時間については、コワーキングスペースは15分単位で200円(税別)から利用可能だという。

ホテル客室は、利用する施設や日時により異なるが、デイユースの最低利用時間3時間からで、金額は3000円(同)からとしている。なお、契約料は不要。

同事業における各社の役割は、JTBは同社が持つ広域ネットワークを使用し、ワークスペースを提供できる施設とテレワークの場所を探している企業のマッチングから精算業務までを行う。

  • 利用シーンの例

NECソリューションイノベータは、利用者がシェアオフィスの検索・予約などを容易に行えるアプリケーションの開発、運用、保守を担う。また、ホテル向けにシェアオフィスの場所・席数・時間帯などを設定し、予約状況を確認できるサービスをクラウドで提供する。

7月27日現在の参画予定ホテルは、上野ターミナルホテル、オークウッドプレミア東京、スーパーホテル(東京都及び近郊の一部店舗)、第一イン池袋、ハイアットリージェンシー東京、ホテルニューウエノ、ホテルラングウッド、ラ・ジェント・ホテル新宿歌舞伎町の各店舗。