日本電気(NEC)は7月27日、これまでロボット専門家が人手で行っていたティーチング作業を自動化するAI技術「目標指向タスクプランニング」を開発したことを発表した。

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    ロボット導入における同技術の効果

ティーチング作業は、作業目標を達成する一連の作業手順の設計、および作業手順に沿ってロボットを動作させる制御命令の作成と設定をする作業で、通常、専門家が行う。

NECが開発したAI技術「目標指向タスクプランニング」により、ロボットを利用する現場の作業者が作業目標を指示するだけで、作業目標を達成する動作をロボットに自動実行させることが可能になり、作業変更が頻発し作業環境が変化しやすい現場でもロボット導入・活用が容易になるという。

例えば、現場作業者が「複数の部品を棚上のトレイに仕分ける」という作業目標を指示すれば、ばらばらに置かれた複数の部品を適切な順序でピックアップし、棚にぶつからずにトレイに運ぶように、作業手順とロボットの動かし方を自動で最適化するということだ。

同技術によるティーチングプロセスの自動化により、ロボット稼働までの時間を大幅に短縮するほか、設定外の事象があっても作業手順をその場で自動的に設定し直すため、ロボット用に特別に整備された環境を用意する必要がないという。

なお、このAI技術を使ったピック&プレイス自動化ロボットを、オリックス・レンテックの常設ロボットショールーム「Tokyo Robot Lab.」に、9月初旬からデモ展示し、実物のロボットの動作や操作性を体験できるという。さらに、同技術の関連デモを「NEC DX Factory共創スペース」にも実装し、公開しているとうことだ。