アストラゼネカは7月20日(欧州時間)、オックスフォード大学が主導する新型コロナウイルス向けワクチン候補「AZD1222」の初期臨床試験(治験)となる第1/2相臨床試験の中間結果として、ワクチンを投与した対象者から、強い免疫反応を確認したと発表した。

詳細は医学雑誌「The Lancet」に掲載された

初期治験は2020年4月23日から5月21日にかけて、18歳~55歳の1077人の参加者を大きく2グループに分けて、片方にAZD1222を、もう片方には髄膜炎菌ワクチンを投与。1回のAZD1222の投与により、1か月後には対象者の95%が新型コロナウイルスに対する抗体が4倍に増加していることが確認されたほか、すべての対象群の対象者において2か月間にわたって、T細胞の活性化が確認されたという。

また、副作用としては、軽度から中程度の頭痛、疲労感、悪寒、発熱、倦怠感、筋肉痛が含まれていたとするが、重篤な健康への影響は確認されなかったという。

なお、アストラゼネカは、2020年~2021年にかけて10億回分の生産能力を確保する計画で、すでに英国政府が1億回分、米国政府が3億回分、独仏伊蘭が主導する欧州包括ワクチン同盟(IVA)が4億回分を確保するなど各国が動きを見せている。アストラゼネカは日本政府とも6月26日に具体的な協議を進めることで合意したことを明らかにしており、7月20日時点で、日本政府との間で1億回分のワクチンの提供に向けて協議を行っており、できるだけ早く供給したいと、といった旨の発言を行っている。