富士通は7月17日、日本国内サービス市場でのビジネス拡大に向けて、新会社「富士通Japan株式会社」を10月1日に発足させると発表した。同社およびグループ会社の国内ビジネス機能を2021年4月までに段階的に集結させ、新会社を富士通グループのパーパス「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」を国内市場において具現化する中核会社と位置づけ、国内サービス市場において地位を確立するという。

同社は、国内ビジネスにおいて富士通Japanを中核とする新たな体制で日本が抱える多様な社会課題解決や、イノベーションによる地域活性化、Society 5.0が目指す超スマートな社会の実現を牽引するとともに、新型コロナウイルス感染症への対策を含め、急務となるニューノーマルへの対応など顧客に提供する価値を最大化し、持続可能な社会づくりに貢献していく。

新たな体制として、発足と同時に民需分野の準大手、中堅・中小企業を担当する同社のシステムエンジニア約400人を合流させ、顧客ニーズに柔軟かつ迅速に対応できる体制を整備。

また、全国地域の顧客におけるICTの高度化や地域が抱えるさまざまな社会課題の解決、新ビジネス創出を加速させるため自治体、医療・教育機関を担当する同社ビジネス部門を新会社に統合する。当初は、2020年7月の統合に向けて準備をしていたが、新型コロナウイルス感染拡大で生じるさまざまな社会課題の解決に向けて、顧客の事業継続を支援する取り組みを優先的に進めるため、2021年4月に延期している。

さらに、全国の顧客へのサービス提供を最適化し、ビジネス展開を加速させるため、民需分野の準大手、中堅・中小企業を担当する富士通マーケティングと、流通・ヘルスケア・自治体分野などのソリューションに強みを持つ富士通エフ・アイ・ピーを新会社に統合し、事業を開始する。

加えて、ICTインフラの構築・運用・保守サービスに強みを持つ富士通エフサス、ネットワーク領域をコアに事業展開する富士通ネットワークソリューションズの2社についても、2021年4月をめどに営業機能を新会社に統合し、グループとして最大価値を提供できる体制を目指し、フォーメーションの最適化を進めていく。

なお、新会社の従業員数は発足時が約5400人、2021年4月1日時点で約1万1000人、事業内容(2021年4月1日時点)は自治体、医療・教育機関、および民需分野の準大手、中堅・中小企業向けのソリューション・SI、パッケージの開発から運用までの一貫したサービス提供するほか、AIやクラウドサービス、ローカル5Gなどを活用したDXビジネスの推進を手がける。