MM総研は7月16日、7487社のIT導入の決裁権者や選定に関与する担当者が回答した「国内法人におけるAI導入実態調査」(2020年5月末時点)の結果を発表した。
同調査におけるAIソリューションとは、深層学習や機械学習を伴った画像認識、音声認識、データ予測等の法人向けシステム、ソフトウエア、クラウドサービスの全般を指す。
7487社のうち、何らかのAIソリューションを導入している企業(以下、AI導入済み企業)は15.1%(1135社)、検討企業は15.7%(1177社)となり、両者を合わせると30.8%(2312社)となった。AI導入済み企業のIT投資全体に占めるAIソリューションの比率)は、2019年度は14.2%だった。
2020年度以降の計画も合わせて聞いたところ、AI投資は平均約2ポイントずつ増え、2022年度にはほぼ2割となる見込みだという。
また、現在抱えている業務課題を聞いたところ、「新規顧客の獲得」(24.8%)、「販売、営業、マーケティングの強化」(21.6%)、「新しいビジネスの創出」(21.0%)がトップ3だった。しかし、業務課題に感じている回答が多い業務ほどAIの導入が進んでおらず、AI導入率はいずれも1割程度にとどまっており、AIソリューションの適用分野については、課題優先度とのミスマッチが見られた。
業務課題別のAI導入状況は、「物流作業・管理の最適化」を課題として挙げた企業の27.7%がAIを導入しており、最多だった。これに、「研究開発力の強化」(AI導入率26.8%)、「設計・工程削減」(同26.7%)と続いている。
業務課題の上位となった「新規顧客の獲得」「販売、営業、マーケティングの強化」「新しいビジネスの創出」利用しているAIベンダーを確認したところ、僅差でMicrosoftの利用率が高い結果となった。
Microsoftに続いて、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)が利用されている。NTT Comは人材強化のためのAIソリューションを提供するほか、自然言語解析AIエンジン「COTOHA(コトハ)」を活用したコンタクトセンターなどの業務を支援するメニューも整えていることなどが評価されたとMM総研では見ている。