米Amazonは7月14日 (現地時間)、セルフレジのような機能を備えたスマートショッピングカート「Amazon Dash Cart」を公表した。グローサリーストアにおいてショッピングカートに品物を入れながら精算し、最後に専用レーンを通るだけで決済される。年内にカリフォルニア州ウッドランドヒルズに、Amazon Dash Cartを導入したAmazonグローサリーストアをオープンする。

  • Amazon Dash Cart

    Amazon Dash Cart

同社は2016年に「Amazon Go」というスマートストアの第1号店をワシントン州シアトルにオープンさせた。Amazon Goは、店内の様々な場所にカメラやセンサーを設置、ディープラーニングも用いたシステムで、店内での商品の状態や利用者の行動を正確にトラッキングする。利用者が手にした商品は自動的に仮想カートに入り、商品を持って出口を通過すると精算が行われ、Amazonアカウントに料金が請求される。

Amazon Goがコンビニエンスストアや小さなグローサリーストア規模であるのに比べて、現在Amazonがカリフォルニア州ウッドランドヒルズで準備している店舗は大型だ。広い店舗の場合、全体にセンサーを設置する方法ではコストや管理の負担が重くなる。スマートショッピングカートDash Cartを使えば、広い店舗でもAmazon Go同様の「No lines. No checkout. (行列なし、レジでのやり取り不要)」を比較的簡単に実現できる。ただし、Dash Cartに収まるのはグローサリーバッグ2つまでの品物。それ以上の買い物は処理できない。小〜中規模のグローサリーショッピング向けとなっている。

Amazon Dash Cartを使った買い物は、まずAmazonアプリのQRコードをカートでスキャンしてAmazonアカウントにサインインする。カートにはディスプレイが設置されており、サインインしたらカートからAlexaショッピングリストにアクセスできる。グローサリーバッグ(最大2枚)をカートに付け、買いたい商品をグローサリーバッグに入れていく。その際に、コンピュータビジョンアルゴリズムとセンサーフュージョンを用いて、カートが品物の情報を読み込む。ビープ音が鳴ったら読み込み成功、オレンジの警告ライトが光ったら失敗しているので商品を取り出して入れ直す。量り売りのシリアルのようなバーコードがついていない商品は、カートのディスプレイで商品のPLUコードを入力し、カートに入れると重さに応じた料金が加算される。Amazon Dash Cart専用の会計レーンを通過して店を出ると、その時点の料金がAmazonアカウントに登録しているクレジットカードに請求される。