スーパーストリームは7月15日、会計・人事給与分野に特化した経営基盤ソリューション「SuperStream NX」に新たなモジュールとして「SuperStream NX AI OCR(請求書)」の提供を8月1日から開始すると発表した。価格は1セット年額120万円(税別、1セット1万2000枚/年間)~。

SuperStream NX AI OCR(請求書)は、OCR(Optical Character Recognition:光学的文字認識)に会計業務に特化したAI技術を組み合わせ、請求書の入力処理から会計システムへの連携まで一連の業務プロセスを自動化し、請求書情報の読み取りから仕訳データ、支払伝票作成までデジタル化・自動化することで、煩雑な請求書の入力業務の負担軽減と生産性向上を実現するという。

  • 「SuperStream NX AI OCR(請求書)」の画面イメージ

    「SuperStream NX AI OCR(請求書)」の画面イメージ

昨今、新型コロナウイルス感染拡大防止の一環として、テレワークを前提とした働き方が求められているが、経理・人事担当者についてはこれまでの商慣習や紙書類の対応が必要な業務などにより、実施できていない企業も多くあるという。

大半の企業では、自宅で日々の業務を滞りなく行うクラウドサービスの導入や、支払・経費精算業務における証憑の電子化によるペーパーレス化の推進、さらにはRPAやAI OCRなどで定型業務の自動化を実現するための仕組みなどが求められている。

スーパーストリーム 取締役 企画開発部長の山田純氏は「われわれの調査によると、コロナ期間中に経理部門はテレワークの実施が困難であるということが判明した。同部門では一部テレワークが42%、出社が32%と他の職種よりも出社した割合が多い。原因としては紙による業務が多く、請求書や検収書などが電子化されていないからだ」と指摘する。

  • スーパーストリーム 取締役 企画開発部長の山田純氏

    スーパーストリーム 取締役 企画開発部長の山田純氏

また、同氏は「経理部門が変わるべき3つのポイントは『ペーパレス』『クラウドの利用拡大』『AI・RPAの活用』だ。調査では企業の53%が証憑のAI OCRを利用したいと回答した企業は53%となり、40%の業務効率化が見込めると期待し、経理部門ではAI OCRが注目されている」と続ける。

  • 経理部門が変わるべき3つのポイントの概要

    経理部門が変わるべき3つのポイントの概要

そして、山田氏はSuperStream NX AI OCR(請求書)について「SuperStreamは会計シリーズと人事シリーズに大別されるが、今回のモジュールは会計シリーズを支える製品だ」と説明した。

SuperStream NX AI OCR(請求書)は、SuperStreamのユーザーが受領して読み取った請求書(PDF)をディープラーニングで学習し、AIの精度を高めることでフォーマットを問わず、さまざまな請求書の画像解析(請求書情報読取)に対応する。

AIを活用することで、読み取った請求書情報を基に勘定科目を推論することを可能としており、仕訳データを自動作成し、会計システムと連携するほか、個社ごとに個別ルールを設定できるため仕訳の精度を高められるという。

システムフローとしては、PDF化した請求書をAI)が解析し、読み取った内容を基に勘定科目を推論後に自動で仕訳データ(AI経費タイプ)を作成、その信頼度と合わせて会計システムに登録する。

  • システムフロー

    システムフロー

主な特徴は「SuperStream-NX(会計システム)への自動連携」「e-文書法に準拠」の2点。自動連携については自動仕訳で作成した仕訳データは、支払伝票作成画面で請求書(PDF)を見ながら確認でき、作成された仕訳データは承認処理後、支払処理に連携するため、支払業務の負荷も軽減でき、仕訳入力から支払業務までの生産性を向上させることを可能としている。

e-文書法への準拠に関しては、読み取った請求書の電子ファイルはエビデンスとして仕訳に添付され、SuperStream-NXに自動連携し、SuperStream-NX証憑管理e文書対応オプションと組み合わせると、電子帳簿保存法やスキャナ保存制度にも対応することから、ペーパレス化に貢献するという。

  • NX統合会計と証憑管理オプションとe文書対応オプションと組み合わせた場合の処理概要

    NX統合会計と証憑管理オプションとe文書対応オプションを組み合わせた場合の処理概要

同社では、今後も企業のバックオフィスを支える経営基盤ソリューションとして、パートナーとともに中堅・大手市場へ積極的に展開し、2021年末までに導入企業1万社を目指す。