米Texas Instrumentsの日本法人である日本テキサス・インスツルメンツは7月7日、ゼロドリフト・ホール効果電流センサ「TMCS1100/TMCS1101」を発表した。
産業用システムでは常により高い性能が求められているため、信頼性の高い動作に加え、より高精度の電流測定のニーズが高まっているが、これは多くの場合、基板スペースの増加と設計の複雑化を伴うという課題があった。2製品はそうした課題を解決することを目的に解決されたもので、ゼロドリフト・アーキテクチャとリアルタイム感度補償により、温度変動や機器の経時変化といった条件の下でも高い性能を保持することを可能にしたという。
具体的には、最大0.45%の総感度ドリフトと、0.1%未満の最大フルスケール・オフセット・ドリフトにより、幅広い電流範囲にわたって高い測定精度と信頼性を提供することを可能としたほか、寿命全体での感度ドリフトも0.5%を実現している。
さらに、TMCS1100は最大1%の精度を、TMCS1101は最大1.5%の精度をそれぞれ提供しているためデバイスの校正を不要とすることができるともしている。
2製品ともにUL 1577規格にしたがって、60秒間の3kVrms絶縁を実現しているほか、寿命全体で±600Vの動作電圧を8ピンSOICパッケージでサポートしているため、設計余裕を増やすことができ、デバイス寿命も長くすることが可能になるとする。
なお2製品ともにすでに供給を開始しており、1000個受注時の単価は1.50ドルから(参考価格)としている。また、評価モジュール(EVM)「TMCS1100EVM/TMCS1101EVM」の提供も開始されており、こちらはいずれも59.00ドルとしている。