トランスコスモスは7月9日、埼玉県川越市の福祉部 障害者福祉課が担当する3つの申請書を対象に、同社が開発したチャットボットとの対話で申請書を作成する「DEC Bot for Government」を導入し、従来は手書きだった申請書をチャットやWebフォームで事前に申請書を作成する実証実験を、6月24日に開始したと発表した。これにより申請書のオンライン化を進め、申請業務の効率化を支援するとしている。
自治体窓口で書類申請する際には、申請書の内容や申請先が複雑なため窓口がわからない、必要な情報を手書きで記入するため時間がかかる、窓口が混んでいるなどの課題があったという。
また、記載ミスがあった場合の修正や再申請などは、申請者の大きな負担にもなっていた。
このような課題に対して同社は、チャットボットとの対話形式を使用し、窓口へ行かなくても必要な申請書類がわかり、いつでもオンラインで事前に書類を作成できるというDEC Bot for Governmentを開発したという。
今回の実証実験では、3つの申請書を対象とする。
利用者は、同市のWebサイトからチャットボットへアクセスし、チャットでのやり取りで必要な情報を入手し、チャットボットからの質問に回答する。
入力が完了するとQRコードを発行し、このQRコードを障害者福祉課の窓口に設置してあるプリンタで印刷し、窓口に申請書を提出して申請が完了となる。
最終的に窓口で紙の申請書を提出するため、同市では従来の対応フローを変更する必要が無く、職員に負担をかけずスムーズに同システムの導入が完了したとのこと。
さらに今回の実証実験では、PKSHA Technologyの子会社BEDOREが提供する音声認識・意図理解アルゴリズムによる音声対話エンジンである「BEDORE Voice Conversation」も導入し、電話音声の自動応答による申請内容の入力も実現したという。
入力後はSMSで2次元コード発行のURLを送信し、事前の申請書作成も可能としている。
実験の予定期間は、6月24日から2021年3月31日まで。 対象の申請書は、自立支援医療費(精神通院医療)支給認定申請書、精神障害者保健福祉手帳申請書、有料道路障害者割引申請書 兼 ETC利用申請書の3種類。
なお、同サービスは最短2週間で導入可能といい、早期立ち上げや切り替えにも対応していくとしている。