ユニアデックスは7月9日、産学官連携で提案を行った「IoTデータ活用を通じた持続可能な養豚繁殖モデルの実証」が、農林水産省の公募事業「令和2年度スマート農業実証プロジェクト」に採択され、実証を開始すると発表した。

実証プロジェクトは、農林水産省「スマート農業技術の開発・実証プロジェクト」(事業主体:農業・食品産業技術総合研究機構)の支援を受けて実施し、ユニアデックスと石川県立大学(代表機関)、家畜改良センター(実証管理運営機関)、埼玉県農業技術研究センター、日本大学、スワイン・エクステンション&コンサルティング、有限会社NOUDAは「養豚繁殖モデルスマート農業実証コンソーシアム」を設立し、プロジェクトを今年度から2年間実施を予定している。

具体的には養豚業の作業の中でも、特に技術力が高く出荷頭数への影響が大きい「繁殖作業」に着目し「精液の品質評価」「母豚の発情検知」「母豚の分娩予兆検知」「遠隔監視システムによる母豚の見守り」の4点について検証する。

  • 左から農場で手軽に使用できる精液品質評価システム、常設カメラの行動分析による発情検知システム、分娩検知システム

    左から農場で手軽に使用できる精液品質評価システム、常設カメラの行動分析による発情検知システム、分娩検知システム

また、実証プロジェクトでは農場現場でのデジタル化の有効性および、養豚経営に対する費用対効果を検証することで、養豚経験が少ない作業者による受胎率80%、作業削減率30%の成果を目標にしている。その中でユニアデックスは、繁殖作業における画像解析プログラムによる自動判定、台車ロボット・定点カメラを用いた遠隔監視と異常検知について、豚舎への技術実装を行い、その実用性を技術的に検証する。

  • ロボット、カメラ、センサによる遠隔監視システム

    ロボット、カメラ、センサによる遠隔監視システム

今後、同社は実証プロジェクトで得られた養豚の繁殖モデルのソリューション展開を通じた社会実装を行うとともに、養豚経営のさらなる改善に向け、業界におけるビジネスエコシステムの構築とデータ蓄積・活用の推進を行う考えだ。