LIVE BOARDと富士通は7月8日、屋内のデジタルサイネージ(Digital Out of Home、以下DOOH)の広告価値を計測するため、富士通のAI画像解析ソリューション「FUJITSU Technical Computing Solution GREENAGES Citywide Surveillance V3」で測定した視認数(広告を実際に見たと推定できる人数)などのデータを基に、屋内DOOH広告のインプレッション計測モデルを構築したと発表した。
「FUJITSU Technical Computing Solution GREENAGES Citywide Surveillance V3」は、DOOH 付近に設置したカメラ映像から個人を特定せずに群衆の視認方向を測定することで、広告視認人数や視聴時間、視聴率を算出する。人物が小さく顔の正面が映っていない群衆でも、頭部の向きや角度などから個々人の視認方向を検出可能。また個人を特定せずに、髪型や服装などの全身特徴から、群衆の性別・年代を推定できる機能もある。
LIVE BOARDは、同社が提供するオンラインのアドネットワーク「LIVE BOARD Network」を通じて、同計測モデルを活用したインプレッション数に基づく屋内DOOHに対する広告配信を行う。
インプレッション計測モデルにより、広告主は、これまで測定が難しかった広告価値を広告視認数などの客観的なデータに基づき把握することが可能になる。加えて、広告主は、「LIVE BOARD Network」を通じて、広告視認数の多い時間帯を狙ったインプレッション数に基づく広告出稿も可能だという。また、DOOHを所有するメディアオーナーは、「LIVE BOARD Network」に媒体を接続することで、インプレッション数に応じたDOOHの広告枠の販売など、新たな販売方法を提供できるとしている。
両社は商用サービス開始に先駆け、美容室専門デジタルサイネージメディアを展開するCMerTVと本計測モデルを活用した広告配信の試験運用を開始したという。今後さらに、鉄道駅構内や商業施設などの屋内DOOHへの本計測モデルの活用を進める方針だ。