クリックテック・ジャパンは7月2日、6月24日~ 25日の行われたグローバルイベント「QlikWorld 2020」でエグゼクティブの発表内容を改めて説明した。QlikWorld 2020 は、新型コロナウイルスの影響で、オンラインで行われ、グローバルでは13,500人が参加したという。
クリックテック・ジャパン カントリーマネージャーの今井浩氏は、今回のイベントのキーワードは「アクティブビジネスインテリジェンス」だとした。
アクティブビジネスインテリジェンスは、「リアルタイムで取得した最新データから得られる継続的なインテリジェンス」だという。
今井氏によれば、現在の企業は、データは蓄積してはいるものの、そのデータからインサイトを得て、実際のアクションを起こして利益につなげることができておらず、大きなギャップがあるという。つまり、生データを実際の価値に変換していくデータ変換のパイプラインができていないという。
この課題に対しQlikでは、ユーザーのデータリテラシーを向上する、データ統合、データアナリティクスの3つの領域でサービスを提供し、支援していくとした。
今井氏は、「アジャイルでクラウドファーストな世の中に対して、SaaSというキーワードでビジネスを推進していく。これによって、コスト削減やスピーディな展開ができ、われわれの最新のテクロジーに移行ができる」と、今後はクラウドに注力して意向を明らかにした。
また、これまでの事前構成済みのキュレーションされたデータセットが基盤のしくみではなく、リアルタイムで取得した最新データからインサイトを導き出す、アクティブビジネスインテリジェンス環境が必要だとした。今井氏はアクティブビジネスインテリジェンスを「能動的なBI」としたが、能動的の意味は、データから得た知見を実際の行動に結びつけていくことだという。
その1つが、今年の5月に発表された「Qlik Alerting」で、Qlik Senseから自動的に取るべき行動を指示するアラートを発行する。
新しいコンセプトと投資領域
今井氏は、生データを知見を得るための実用的なデータに変換し、そこから実際に知見を得てアクションを起こし、利益を得ていくという「データ変換のパイプラインのプロセスがデータドリブン経営そのものである」と語り、「生データと実用的なデータの部分はデータ統合プラットフォームとして、インテリジェンスを得て価値を生む部分はデータアナリティクスプラットフォームとして提供するという。
そして、データドリブン経営でキーポイントになる領域として、移動中のデータ(動的なデータ)、AI/ML(機械学習)、プロセス内のストリーミングの3つを挙げた。
「動的なデータも、これまでの静的なデータとともにハイブリッドで管理していく必要がある。そして、AIや機械学習の力を借りて、膨大なデータを瞬時に正確に判断し、あらゆるプロセス・レイヤで埋め込み式のような仕組みで分析していく必要がある。そして、データ変換のパイプラインのサイクルをリアルタイムに回す必要がある。それがアクティブビジネスインテリジェンスのキモになる。Qlikはそこを目指して製品化していく」(今井氏)
それに向けてQlikでは、2020年にSaaS、アナリティクスの刷新、データパイプライン、ユーザーの利用を促進、インサイトからアクションへの5つにフォーカスするという。
SaaSは、クラウド利用を促進することでTCOを下げ、新しいビジネスをスピード感を持って実施していくこと、アナリティクスの刷新は、従来型のインテリジェンスをアクティブビジネスインテリジェンスに刷新していくこと、データパイプラインはデータパイプラインの構築を支援していくこと、ユーザー利用の促進は、ユーザーのリテラシーを上げていくこと、インサイトからアクションへは、データから得たインサイトを実際のアクションに導いていくことだという。