Phoronixは6月29日(現地時間)、「Some Open-Source Projects Begin Quickly Working Towards macOS ARM64 Support - Phoronix」において、いくつかのオープンソースプロジェクトが早くもARM版Macへの対応を開始していると伝えた。

Appleは、先日オンラインで開催された年次イベント「WWDC 2020」において、ARM64ベースの新しいCPU「Apple Silicon」を開発中であり、今後同社のMacに搭載するCPUを段階的にこのApple Siliconに置き換えていくことを発表した。同時に、今秋リリース予定のmacOS 11 Big Surが、Apple Siliconをサポートする最初のmacOSになることも表明している。

  • MacのARMへの移行発表がオープンソース業界を賑わしている

    MacのARMへの移行発表がオープンソース業界を賑わしている

ソフトウェア・ベンダーは、このmacOS 11に向けて、ARM64チップセットへの対応を進めなければならない。これはオープンソース・プロジェクトも例外ではない。Appleでは開発者向けにA12Z Bionic SoCベースのMac開発システムの提供を行っている。いくつかのオープンソース・プロジェクトでも、すでに64ビットARM版のMacビルドに必要なビルドシステムの構築準備が進んでいるとのことである。

例えば、コンパイラ開発基盤であるLLVMにおいては、すでにApple自身がLLVM/Clangに対してmacOS 11への対応パッチを提供しはじめている。オフィススイートのLibreOfficeでも、すでにAppleシリコン搭載のmacOS向けビルドを提供するステップを開始したとのことだ。そのほかにも、大小さまざまなプロジェクトがARM版のmacOS 11をサポートするための準備に取り掛かっているとPhoronixは伝えている。

最近では、多くのオープンソース・プロジェクトがARM64版のLinuxのサポートを進めていた。Appleの発表からまだ1週間程度しか経過していないが、これらのノウハウの蓄積が、今回の迅速な対応にもつながっているのではないかと思われる。