新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界の感染者が28日に1000万人を超え、29日には死者も50万人に達したことが米ジョンズ・ホプキンズ大学の集計で明らかになった。北米、中南米などでの感染者増が顕著で、過去最悪とみられるペースで拡大が続いている。COVID-19は最初の感染者が報告されてから約半年。日本では東京都などを除き感染拡大はかなり抑えられているが、世界規模では収束の兆しは全く見られず深刻な状況が続いている。
ジョンズ・ホプキンズ大学の集計では、感染者は4月2日に100万人を超えた。その後、十数日ごとにさらに100万人ずつ増えていた。そして5月21日に500万人に達すると感染者増のペースが加速し、6月22日には900万人台に達し、1000万人に届くのは不可避と見られていた。
6月29日午前8時現在の集計での感染者は、米国が最も多く約254万人で、2番目のブラジルの約131万人と合わせると世界全体の3分の1以上を占めている。3番目はロシアで約63万人、インドの約53万人、英国の約31万人と続いている。10万人を超えている国は19カ国を数えている。
国別死者は、米国が約12万5000人超で、次いでブラジルが約5万7000人、英国が約4万4000人。世界の死者は4月10日に10万人を超えた。その後死者がさらに10万人上積みされるまでの日数はそれぞれ15日、19日、24日と、死者増のペースはやや鈍っていた。しかし21日で40万人から50万人になり、世界規模での感染者増を反映した形になった。
約100年前に世界的に大流行したスペイン風邪の感染者、死者の正確な統計はないが、約5~6億人が感染し、数千万~5000万人が死亡したとされている。日本の実態も諸説あるが、当時の内務省統計では患者は約2300万人を数え、約38万人が死亡したと報告されている。その後、世界的に大流行した感染症では、1957年に始まったアジア風邪で約200万人が、1968年に始まった香港風邪では約100万人が死亡したとされている。
今世紀に入って感染者が多い感染症は結核だ。世界保健機関(WHO)などは世界の人口の約4人に1人が感染しているとみており、2018年は今回のCOVID-19と同等の1000万人が感染し、150万人が死亡したとみられている。このほか、季節性インフルエンザの死者数も多く、厚生労働省などによると、毎年世界で約25万~50万人が、日本でも昨シーズンまで約1万人がそれぞれ死亡したと推計されている。
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