シスコシステムズは6月26日、日本市場で独自に展開してきた中小企業向けブランド「Cisco Start」を、グローバルで展開する「Cisco Designed」に刷新すると発表した。
同社は2015年9月、100名以下の中小企業に特化した製品ブランド「Cisco Start」を日本独自の取り組みとして開始した。その後、一部アジアにも展開。5年で20万ユーザーと好調なことから、昨年秋にグローバル展開することが決まったという。
「Cisco Start」は100名以下の中小企業をターゲットにしていたが、「Cisco Designed」は、25名から250名規模とやや拡大する。
その理由をシスコシステムズ 専務執行役員 パートナー事業統括 大中裕士氏は「Cisco Startでは、1000名規模のお客様にもカスタマイズして提供していた」と、中堅企業からもニーズがあるためだとした。実際、「Cisco Designed」は1000名規模まで対応できるという。
「Cisco Designed」は、中小企業向けのデジタル変革を支援するブランドとして展開。また、管理はクラウド上で行うクラウドマネージドソリューションにフォーカスする。これは、中小企業のデジタル化では、導入コストが大きなハードルになっているため、それを抑えるためにクラウド化し、サブスクリプション型で提供するという。
Cisco Designedは以下の製品群で構成される。
・クラウド管理ネットワーク ― Cisco Merakiシリーズ
・コラボレーション ― Cisco Webexシリーズ、Ciscoハンド/ヘッドセット
・セキュリティ ― Cisco Duo Security、Cisco Umbrella、Cisco AnyConnect、Cisco ASA/ Firepower、Cisco AMP
・ルータ ― Cisco ISR 900シリーズ
・スイッチ ― Cisco Catalyst 1000シリーズ、Cisco SGシリーズ
・ワイヤレス(無線LAN) ― Cisco Aironet 1800/2800シリーズ、Cisco WAPシリーズ
・ハイブリッドクラウドコンピューティング ― Cisco HyperFlex Edge、Cisco UCS、Cisco Intersight
シスコシステムズ APJCアーキテクチャセールス ビジネス開発担当 中元聡氏は、「浸透してきたテレワークを働き方改革にどうつなげるかが重要」とし、テレワークへの本格対応、バーチャル環境、在宅環境での業務の拡大、テレワーク環境でのセキュリティ対策、なりすまし・情報漏えい対策、診療所・クリニックでのオンライン医療、学習塾・教育機関でのオンライン教育、民間企業でのオンラインイベント、セールスなどをユースケースとして挙げた。
マーケティング施策としては、Digital/Non-Digital の双方を駆使した顧客とのエンゲージ、無償トライアル/期間限定オファーの提供、購入前問い合わせ、フォローアップ体制の充実を行う。
シスコシステムズ マーケティング本部 部長 水谷雄彦氏は、「クラウドは体験していただくというトライアルのオファーがしやすい」として、無料体験を積極活用していく意向を示した。
基本的には、マネージドサービスパートナープログラム「CMSP (Cloud and Managed Services Program) 」によるマネージドサービスパートナーによってソリューションを展開する。各パートナーは、自社サービスを付加して提供できる。
そして大中氏は、日本の中小企業約170万社に対して、2年程度で導入率30%(約50万社)を目指す(現状は10%程度)と目標を語った。