半導体デバイスに関する国際会議「IEEE International Electron Devices Meeting(IEDM)」の実行委員会は、2020年12月に米国カルフォルニア州サンフランシスコで開催予定としていた「第66回国際会議(IEDM2020)」について、新型コロナウイルスによって引き起こされている不確実性を考慮して、すべての会議をバーチャルに切り替えて開催することを決定した模様だ。

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    2020年6月25日(日本時間)時点のIEDMのWebサイト。IEDM2020の開催期間は12月12-16日にサンフランシスコと記載されている

バーチャルなIEDM2020は、かねてより計画されていたリアルでの会議同様、2020年12月12〜16日の期間で開催され、講演(セッション)はライブならびに事前録画によるオンデマンド講演の両方で行われる。すでに、2020年6月開催の「2020 Symposia on Technology and Circuits」を踏襲し、同じやり方を取るものと思われる。

IEDM 2020の広報委員長であるDina Triyoso氏(TEL Technology Center, America所属)は「IEDM実行委員会は、科学界の健康と安全を優先するために、バーチャルなアプローチが2020年の最良の選択肢であると決定した」と述べている。

なお、詳細は2020年夏の末ころにIEDMのWebサイトで発表するとしている。

2021年のVLSIシンポジウムはリアルとバーチャル併催で検討

2021年の「Symposia on Technology and Circuits(VLSIシンポジウム2021)」は、2021年6月に京都で従来どおりのリアルな会議として開催されることが決定しているが、バーチャル会議も併催の方向で検討を進めていることをVLSIシンポジウム2020のオープニングセッションで主催者が明らかにした。現在、VLSIシンポジウムの全参加者に今後の会議の形態に関してアンケート調査を実施しており、その結果を参考にして最終的な決定をするという。

VLSIシンポジウムは、過去40年に渡り、毎年、京都とハワイで交互に開催されてきており、ハワイ開催のほうが参加者が多いとされており、2020年もハワイでの開催が予定されていた。しかし、新型コロナウイルスの問題からバーチャル会議に切り替えられたのだが、結果として、従来の開催形態よりも遥かに多くの有料参加者を獲得し、イベントとしても大成功を収めたことから、今後の大型国際会議のニューノーマルとして注目されるようになってきたようだ。