シーメンスは6月22日、2020年6月1日に国内で行ったエナジー事業をシーメンス・エナジー株式会社として分社化するに当たっての説明会を開催。シーメンスならびにシーメンス・エナジーの現状と今後についての説明を行った。
シーメンスは創業172年、日本法人も132年の歴史を有する老舗だが、その間、経営戦略として事業のトランスフォーメーションを長年にわたって展開。現在はVision 2020+を掲げ、事業ポートフォリオの変更を進めてきた。この取り組みの一環として、分社化や子会社化をして事業を切り離す一方で企業買収を行い、不足分を拡充するといった取り組みを行ってきた。
今回のシーメンス・エナジーとしての分社化は、シーメンスの発電、オイル&ガス事業、高圧送電事業および関連サービスを対象としたもので、本社で2020年4月に別法人化された独シーメンス エナジーAGは2020年9月末までに上場する予定としている。
日本法人のシーメンス・エナジーは、旧来のシーメンスのガス&パワー部門のすべて、および社会インフラ部門における送電機器事業で行ってきたビジネスを引き継いでおり、企業としては新会社だが、組織としてはまるごと移籍ということで、「既存顧客とはこれまでと変わらずにお付き合いさせていただける体制となっている」(シーメンス・エナジー代表取締役社長兼CEOの大築康彦氏)としている。
日本での主なビジネスはバイオマス向け蒸気タービンビジネスで、2020年3月末までにFIT制度を利用したバイオマス案件を9件獲得。これを中心にサービス体制を強化し、日本で安心して利用してもらえるビジネスを展開していきたいとする(子会社化されるシーメンスガメサは日本では独立事業として継続)。
なお、シーメンスが目指すのはDX(デジタル・トランスフォーメーション)であり、ヘルスケア事業、エナジー事業、デジタルおよびインフラを担当する本体を3つのコア事業として展開していくことで、幅広い産業分野に対し、DXの提供を目指していくとしている。