大日本印刷(DNP)は6月17日、在宅などのリモートの学習環境においても定期テストの実施を可能にし、解答結果からAI(人工知能)により学習者の理解度を分析し、復習が必要な学習課題とその優先順位を提示するという「評価分析機能付きテストシステム」を、「DNP学びのプラットフォーム 『リアテンダント』」の新機能として開発したと発表した。同機能により、教員は分析結果を基に児童・生徒個々の学力に応じた適切な指導が可能になるとしている。
ドリルなどの学習教材と比較して、学習者の習熟度を確認するためのテストのデジタル化は遅れているため、リモートでテストを実施してその結果に基づいて個に応じた指導を行うことは困難という課題があったとのこと。
同社は同機能をリアテンダントの新機能として提供することで、テストのデジタル化をワンストップで可能にし、リモート学習の早期実現を支援するという。
同機能を使用する場合、生徒はタブレット端末上でタッチペンを使用して、教員が制作したデジタルテストに解答する。 オリジナルのテスト問題は、教員自身がPC環境で制作できるとのこと。 教員の自作テストに加え、コスモトピアの単元テスト(小・中学生向け)とDNPオリジナルの小学校算数単元テスト(小4~6年個別復習用教材付き)の搭載もオプションで可能という。また、授業後の小テストに加えて、中間・期末の定期考査でも利用可能としている。
同機能は答案を効率的に採点できるデジタル採点機能を搭載しており、設問ごとに解答を一覧表示し、クリックするだけで採点できるとのこと。これにより採点ミスを減らし、教員の大きな負担となっている採点業務の負荷を軽減するという。
採点結果からAI(人工知能)が児童・生徒の習得度を解析して、復習に必要な学習課題とその優先順位を提示。その結果から教員が判断し、オプションのデジタルドリルを使用して個人に応じた指導に繋げることができるとしている。
なお同社は日本マイクロソフトと協力し、文部科学省が推進する「GIGAスクール構想」の実現に向けて、同システムをマイクロソフトのタブレット端末である「Surface Go 2」のオプションとして提供する。
同システムでは、学習者が問題を解くまでの過程(途中式)を教員が見ることができるため、児童・生徒がどの問題のどこにつまずいたのかなどを把握し個に応じて指導できるとしている。 教育市場でのICT端末の整備や学習システムの導入において両社の持つ機能を掛け合わせることが強みとなることから、協業に至ったという。