TSMCは6月9日、株主総会においてLiu Deyin会長が、今まで言及したことがなかった4nmプロセス(TSMCは「N4」と呼んでいる)の存在を明らかにし、大口顧客と商談を進めていることを明らかにしたと、多数の台湾メディアが伝えている。
TSMCはすでに特定大口顧客向けに生産に入った「N5」 (5nmプロセス)に続いてN5の改良版であるN5Pを2022年に、N5の派生版であるN4を2023年に生産投入するとしている。
なお、3nmプロセスとなる「N3」については2022年に量産を開始する準備をしているという。「N3」は新ラインで新規装置を使って製造するためコスト高となるため、性能は「N3」に比べてやや劣るもものの、より安価に製造を希望する顧客に「N4」を選択肢として提供する予定だという。すでに量産中の7nmプロセス「N7」も、派生プロセスとして「N7+」「N7P」「N6」などが存在している。
TSMCの2020年1~5月の売上高は前年同期比34%増
TSMCは6月10日、2020年5月度の売上高を公式に発表した。2020年5月の連結売上高は前月比2.3%減、前年同月比16.6%増の約938億NTドルで、2020年1月から5月までの売上高も前年同期比33.9%増の5004億NTドルと、好調な結果を示している。同社は、米国政府の要求で中Huaweiからの受注生産を2020年9月納入分で終了せざるを得なくなったが、Huaweiからの今までの注文分(TSMC売上高の15%相当)に相当する受注を他社からとれる見込みであることを明らかにしている。