NTTデータと米マイクロソフト(以下、マイクロソフト)は6月10日、戦略的協業を開始したと発表した。同協業より、両社は、NTT データのITサービスと、マイクロソフトが持つクラウドプラットフォーム、AI技術および生産性向上ツール群を融合させ、企業のDXの推進および業務効率化の支援を目指すという。なお、同協業はNTTとマイクロソフトが 2019年12月に締結した、複数年にわたる戦略的提携に基づき実施するものだという。

同協業により両社は、企業のDXの推進のため、マイクロソフトが提供する「Microsoft Azure」上に新たなソリューションおよびサービスを連携して開発し展開を行うという。「Microsoft 365」、「Microsoft Teams」 で提供される生産性向上の技術と組み合わせ、NTTデータが提供するナレッジマネジメントソリューション「everis knowler」、RPAソフトウエア「WinActor」を拡張し、業務の効率化を支援する。

また、SAPアプリケーションなど基幹系システムの Microsoft Azure への移行やマネージドサービスなど、ソリューション領域を順次拡大する予定だという。

マイクロソフト コーポレーション コーポレート バイスプレジデント プログラムマネジメント担当のアレックス シモンズ氏は「この戦略的協業により、NTTデータのグローバルでのITサービスやさまざまな業界の専門知識を、Microsoft Azure の力や生産性を高めるツールと組み合わせることで、お客様にとって新しい機会と価値を創出し、迅速にDXを推進できるものと期待している。両社で新たなソリューションを創出し、さらなる価値を提供していきたい」とコメントしている。

さらに、両社は、グローバルで社員の力を高めて組織力を最大化することを目的としたワークスタイル変革を、デジタル技術を用いて推進する。NTTデータ社内のワークスタイル変革を加速させるため、「Microsoft 365」で提供されるセキュリティー製品群や、「Microsoft Teams」などのコラボレーションツールを活用し、生産性向上を目的とした IT・制度の両面における環境整備を進めるとのこと。

また、成果の増大につながる働き方やベストプラクティスの共有を進めることで組織全体の働き方変革および社員1人1人の生産性向上を図り、この活動で得られた実績や、実際のシステム構築のノウハウをもとに企業のワークスタイル変革を提案していく方針だ。

一方で、マイクロソフトがこれまで手掛けた、組織文化の改革などグローバルでのさまざまなDX事例を活用し、デジタル人財育成・活用のさらなる促進のための協力も行う。また、DXを企業に提案する人財としてNTTデータ社員が、マイクロソフトのクラウド関連の認定資格を取得するなど、グローバルで 1 万人規模の人財を育成する予定だという。

さらに、同協業により、NTT データは、社会貢献活動の一環として、グローバルヘルスの重要課題に対して、マイクロソフトが推進する「AI for Health」と連携して取り組む。NTT データは、SDGs(国連で採択された持続可能な開発目標 )のひとつである感染症根絶に向け、同社の AI 画像診断技術を活用していく方針だ。