MMD研究所が6月10日に発表した「在宅勤務における自宅のインターネット通信回線の実態調査」の結果によると、在宅勤務で新たに自宅のインターネット回線を契約した割合は、光回線では全体の7.3%、ホームルーターでは同15.0%、モバイルルーターは同14.3%だった。
同調査は、予備調査としてスマートフォンを所有する全国の20歳~69歳のビジネスパーソン3万4994人を対象に新型コロナウイルスの影響での勤務形態及び自宅で加入しているインターネット回線について聴取し、本調査として、新型コロナウイルスの影響で在宅勤務をしており、固定回線(光回線)、ホームルーター、モバイルルーターを利用している全国の20歳~69歳のビジネスパーソン各500人の計1500人を対象に、利用しているインターネット回線、利用しているサービス、ビデオ通話について聴取したもの。
新型コロナウイルスの影響で、在宅勤務になった、時差出勤と在宅勤務を並行している、過去に在宅勤務を行っていたのいずれかと回答した在宅勤務者を対象に、在宅勤務の前後で自宅のインターネット回線を新たに契約したり変更したりしたかを回線の種類別に聞いたところ、在宅勤務で新たに契約した割合は、光回線利用者では7.3%、ホームルーター利用者では15.0%、モバイルルーター利用者では14.3%だった。
自宅のインターネット回線で光回線/ホームルーター/モバイルルーターのいずれかを利用している在宅勤務者の各500人に、利用中のインターネット回線に満足しているかを尋ねると、「満足している」と「やや満足している」を合わせた満足度は、光回線では87.6%、ホームルーターでは80.2%、モバイルルーターでは76.2%だった。
不満と回答した回答者に複数回答で不満点を聞くと、3回線とも「通信速度が遅い、安定性が悪い」が最も多い。
次に多かったのは、光回線とホームルーターでは「月々の通信料が高い」、モバイルルーターでは「データ容量に制限(速度制限)がある」だった。
ビデオ通話(オンライン会議)で良かった点や満足点を複数回答で尋ねたところ、「打ち合わせや訪問のための移動の必要がない」が51.0%で最も多かった。以下「場所を選ばない」(47.9%)、「会議室を確保する手間がない」(37.8%)と続き、移動や場所などに関するオンラインの便益を感じている回答者が多い。
ビデオ通話(オンライン会議)を行う際に通信回線で困ったことや不満点を複数回答で聞くと、「音声が聞こえなかったり、途切れてしまうことがある」が50.5%と最多だった。
以下「映像が固まったり、タイムラグが発生することがある」(43.0%)、「音声がハウリングすることがある」(29.4%)が続き、音声や映像のトラブルが上位を占める。
自宅のインターネット回線で光回線/ホームルーター/モバイルルーターを利用している在宅勤務者の各500人に、緊急事態宣言が解除された後の働き方の意向を尋ねると、「在宅勤務のみが良い」が16.8%、「在宅勤務と出勤、どちらも並行して行いたい」が64.1%、「在宅勤務は行わず、会社に出勤したい」が19.1%であり、在宅と会社に出勤の並行した働き方を求める傾向が強い。