新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響で、多くの半導体企業が2020年通年のガイダンス(自社による業績予測)を出すことを取りやめているが、それでも次の四半期(第2四半期)のガイダンスを発表している企業はそれなりにある。しかし、新型コロナの収束時期が読めないこともあり、前四半期と比べた成長率はいつになく大きくばらついた状況となっている。

そうした市況の中、半導体市場動向調査会社の米IC Insightsは、世界の代表的な半導体企業21社の2020年第2四半期(4~6月期)の売上高ガイダンスの中間値(最善の場合と最悪の場合の中間の値)を集計、その結果、21社中15社がマイナス成長の見通しを立てており、21社合計の売上高は前四半期比5%減となることを示した。

プラス成長を予測している6社は、台MediaTek、AMD、Western Digital/SanDisk、UMC、Analog Devices、そして中SMICだという。ちなみにSamsung Electronics、SK Hynix、そしてガイダンスを発表していない米Micron technologyやキオクシアなどの大手メモリメーカーは、売上高が大きいにもかかわらず21社の中に名を連ねていない。

もっとも高い成長率を掲げているのがMediaTekで、前四半期比6%増。同社は、スマートフォン向けの5Gチップセットの売上拡大により、第2四半期の売り上げが伸びる見込みだとしている。また、Western Digital/SanDiskは、需要が急増しているデータセンターおよびSSD向けNANDを製造していることもあり同4%増と堅調な成長を見込んでいる。

反対に、ヨーロッパの3大半導体メーカーであるInfineon Technologies、STMicroelectronics、NXP Semiconductors、ならびにTexas InstrumentsとSkyworksの5社が2桁減の予想している。IC Insightsは、世界のIC市場全体でも2020年第2四半期は同6%減とマイナス成長に陥ると予測している。

  • IC Insights

    主要半導体企業21社の2020年第2四半期の売上高ガイダンス中間値 (2020年第1四半期売上高順。買収した企業分の売上高は除く) (出所:IC Insights)