Moore-than-Moore系半導体市場動向調査会社である仏Yole Développementは、「GaAsウェハ市場の規模は、2019年の2億ドルから年平均成長率10%で成長し、2025年までに3億4800万ドル超に達する。その用途は、『RF』、『LED』、『ディスプレイ』、『フォトニクス』、『太陽電池(PV)』の5種類がメインであり、今後、デイスプレイとフォトニクス用途は毎年2ケタ成長する見込みだが、PV用途はマイナス成長となる」との調査結果を発表した。
RFは、GaAsウェハにとって伝統的な市場ドライバであり、2019年には数量で市場の33%、あるいは売上高で37%を占め、GaAsエピウェハ市場の67%を占めている。GaAs RFの需要は主にスマートフォンの5Gへの移行によって牽引されており、中でも6GHz以下の電波を利用するためのパワーアンプ(PA)の普及で利用に拍車がかかっている。
また、フォトニクスはGaAsウェハ市場で5%のシェア、2400万ドル相当の規模であるが、市場を強くけん引するGaAs VCSEL技術により、2019年から2025年にかけて2桁の年平均成長率を示すと予測されてる。
LEDはローエンドアプリケーションから植物栽培や自動車用といったハイエンドアプリケーションへ拡大するのに伴い、GaAsウェハ市場の最大シェアである41%を占めている。特に自動車は、可視光LEDやIR LEDにとって重要なポジションを占めており、2019年から2025年にかけての年平均成長率も6%と予測されている。
さらにディスプレイはマイクロLEDのような新たな成長源によりけん引され、2019年から2025年にかけての年平均成長率は19%に達するとYoleは予測している。
なお、ここで年平均成長率はあくまでも2020年以降5年間の各年の成長率の平均であり、2020年単年に関しては、新型コロナウイルスの収束時期によってさまざまなシナリオがあり得るため一概に予想できないとしている。