日立製作所は6月5日、新型コロナウイルスへの対応に必要な人工呼吸器の製造支援を目的に、同社の「組立ナビゲーションシステム」を活用した3D作業手順書を、クラウドサービスで無償提供すると発表した。
同システムは、設計工程で製作される完成品の3D CADの設計データから、現場作業者が直感的に理解しやすい3D作業手順書に自動で変換できるシステム。
具体的には、1つの作業を1画面で、組立順に沿って表示し、作業者が製作図面から組立の順番を読み解く手間を省くほか、画面に表示される各手順に従って効率的な組立作業を支援する。また、詳細に確認したい設計・構造は、回転や拡大・縮小して確認できるなど、直観的に理解しやすい作業手順を提示するという。
今回、同システムにヘルスケア企業のメドトロニック社 (アイルランド)が無償公開した人工呼吸器の設計仕様を取り込み、独自のアルゴリズムにより分解順序と分解動作の分析を行って、 3D 作業手順書を自動生成して公開する。3D 作業手順書は2020年6月5日から1年間SaaSで提供し、パソコンやタブレットなどのWebブラウザから閲覧することが可能。
同社は今後、利用者間で意見交換を行う専用コミュニティを立ち上げ、作業手順などのノウハウを共有できるサービスの提供も行う方針だ。