Samsung Electronicsは6月1日、3D NANDフラッシュメモリの需要増加に対応するための生産能力強化に向けた投資計画を発表した。
それによると同社の平澤事業所に増設した第2ラインにクリーンルーム設置工事を2020年5月より開始、2021年上半期に竣工させ、2021年後半より独自の3D NAND「V-NAND」の大量生産を開始する予定であるという。
同社のNAND生産は、韓国の華城、平澤そして中国の西安が中心となっている。中でも平澤キャンパスは2015年に設立された世界最大級の2つの生産ラインで構成される次世代メモリ技術の中心地としての地位を確立しつつある。
同社のMemory Global Sales&MarketingのエグゼクティブバイスプレジデントであるCheol Choi氏は、「人工知能(AI)、IoT、および5Gの拡大に支えられた第4次産業革命の時代に、NANDの中長期的な需要に対応する上で、今回の増産計画は大きな役割を果たすと確信している。デジタルライフスタイルが普及するにつれ、当社は今後も市場機会をつかむために新しい投資を積極的に行っていく」と述べている。
2013年の第1世代のV-NAND(24層、128GビットMLC)の量産開始から、次世代の第6世代(1xx層、256GビットTLC)に至るまでの取り組みを見ると、同社は、グローバルサイト全体でバランスの取れた投資を行うことで、市場でのリーダーシップをさらに強固なものにすることで、生産ネットワークを維持することを目指す姿が見えてくる。
なお、Samsungの製造ライン新設発表とほぼ時を同じくする5月27日、キオクシア(旧 東芝メモリ)は四日市工場の既存工場の隣接地に第7製造棟を建設を行うべく、起工式を執り行った模様だ。土地の造成から着手し、2022年夏ごろの完成を目指すという。NANDに対する需要は引き続き続いており、今後のSamsungとキオクシア・Western Digital連合のシェア争いも激化することが予想される。