アビームコンサルティングは6月2日、SAP S/4HANAへの移行をDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の契機と捉え、さらなる業務プロセス改革を推進するためとして、プロセスマイニングで大手という独Celonisの日本法人であるCelonisが提供するプロセスマイニングテクノロジーを使用したSAP S/4HANAへの移行支援サービスである「Re+Innovation for SAP S/4HANA」を提供開始した。価格は2340万円から、対象はSAP ECC 6.0導入済の企業。
新サービスでは、SAP S/4HANAへの移行における改革構想フェーズにおいて、技術的な移行方針の策定に加えて業務プロセス改善案を含めた全体計画の作成を支援するという。
同サービスの利用により、迅速な業務プロセスの可視化や重点的に対応すべき課題の特定、改善案の提示を行う「価値のある移行」と、移行そのものに必要な期間、リソース、コストを削減する「効率的な移行」を実現するとしている。
特徴として同社は、プロセスマイニングテクノロジーによる業務プロセスの可視化及び、業務プロセス改善施策の策定の2点を挙げる。
業務プロセスの可視化については、SAP ECC 6.0上で稼働する業務のトランザクションデータやログデータを分析し、業務プロセスを可視化するという。
従来はヒアリングや担当者の経験に基づき実施していた業務実態の把握を、プロセスマイニングテクノロジーにより網羅的かつ短時間で把握・分析するという。
業務プロセス改善施策の策定では、プロセスマイニングテクノロジーで可視化した業務実態から、同社の過去多岐にわたる業務改善の知見を生かし、非効率な業務を特定して業務プロセス改善施策を提示するという。
また、業務プロセス改善施策を実施した場合のROI(投資収益率)を試算し数値化することで、移行による費用対効果をより具体的に示すことが可能としている。
その具体例として、複数の海外子会社における入金消込のログデータから会社ごとの作業自動化率を解析して業務を改善すべき会社を特定し、改善すべき会社の業務を自動化した場合の削減可能な人件費を算出するという事例を挙げる。
同サービスでは、同社のSAP製品・サービスに知見を持つ専門チームが、移行時に発生するカスタマイズやデータの変換作業を予め定型化した移行手順により移行の検証を実施するという。
さらに、同サービス後のテスト/導入フェーズでは、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)をプロセスマイニングテクノロジーと複合して使用するテストの自動化などにより、さらなる移行工数の削減も可能としている。