ISC 2020はオンラインで開催
例年、ドイツのフランクフルトで開催されるスパコン学会「ISC」は、新型コロナウイルス禍で今年はデジタル開催(オンライン開催)となったのだが、その参加費が無料となることが明らかとなった。
参加登録をしておけば無料で、自宅のパソコンの前に座れば参加できるため、これまでISCに参加できなかった人であっても、気軽に参加できるようになる。
6月6日追記:記事掲載当初、ISC 2020の発表についてはPre Recordedのものであっても、会期後の視聴ができないとしておりましたが、主催者側より、Pre Recordedのコンテンツについては、公開時間以降も見られるようにするという連絡をいただきましたので、当該部分を修正させていただきました(レジストレーションを行っていない場合でもイベントの2週間後より視聴可能)
ISC 2020の開催期間は6月22日から6月25日の4日間で、参加登録の受付は6月2日より開始される予定となっている。
Top500の発表はライブで配信
今回のプログラムを見て気づくのは、6月22日のTop500の発表は例年通りだが、Pre Recordedではなく、Live Streamで行われるということである。Top500のセッションはCEST(中央ヨーロッパ夏時間)の午後4時10分からとなっており、CESTは日本のJSTから7時時間遅れであるから、日本時間では午後11時10分からの発表ということになる。
そして、今年は午後5時(CEST)からIntel HPC Specialというイベントが入っている。米国の3台のエクサスケールスパコンの中で一番先行するAuroraは2019年11月のSCでSapphire Rapids CPUとPonte VecchioというIntel初のXeアーキテクチャのディスクリートGPUを使うという概要が発表されているが、情報は不足しており、このISC 2020のIntel HPC Specialでの新情報の公開が待たれる。
そして、午後5時からはVendor Showdownが並行開催され、Intel、Inspur、NVIDIA、富士通、NECが登壇する。IntelのHPC Specialとどちらを聞くのが良いのか難しいところである。また、日本時間では午前0時からのセッションとなるため、眠気と戦う必要もあるだろう。
最終日にはワークショップも開催
2日目の6月23日は研究論文やポスター発表のセッションが行われる。
6月24日は午前9時からStudent Cluster Competitionの表彰がLive Streamで行われる。他のセッションと開始時間が違うが、これは中国やアジアのチームが表彰されるためではないかと推測される。米国の参加者には都合の悪い時間だが、今年のStudent Cluster Competitionには、米国の大学のチームは1校も参加していないので、ますますアジア勢の都合に合わせたのではないかと思えてくる。
そして、6月24日は午後4時(CEST)からISC締めくくりのThomas Sterling教授の基調講演が行われるほか、同時刻にはNew Info from Quantum Computing in Europeというフォーカスセッションが並行して開催される。
最終日となる6月25日はWorkshopの日となっており、10のワークショップが並行開催され、「International Workshop on Machine Learning Hardware」、「Machine Learning on HPC Systems」などといったマシンラーニング関連の話題が開催される。
なお、学会によっては論文や発表スライドなどをアーカイブして公開することもある。ISCも、そうした対応を図る模様で、少なくともPre Recordedの発表は文字通り録画されたものであるので、公開時間以降、好きな時間に視聴することを可能にしたという(ただし、レジストレーションを行っていない人は公開2週間後より視聴が可能になるという)。