PostgreSQLグローバルデベロップメントグループは5月21日(米国時間)、「PostgreSQL: PostgreSQL 13 Beta 1 Released!」において、PostgreSQL 13の最初のベータ版を公開したと伝えた。このバージョンにはPostgreSQL 13の最終リリースで利用できるすべての機能のプレビューが含まれている。次のバージョンで導入される新機能や改善点の確認を行うためのバージョンとして試用できる。
PostgrelSQL 13で導入が予定されている主な新機能や改善点は次のとおり。
- VACUUMコマンドにおけるインデックス並列処理機能の導入
- reindexdbコマンドにおける並列処理機能--jobsの導入
- 標準インデックスであるBツリーインデックスにおける重複データ処理方法の改善によるインデックスサイズの縮小と検索速度の向上。特に繰り返される値を含むインデックスにおいて性能の改善が顕著
- インクリメンタルソート機能の追加。すでにデータがソートされた状態の場合、追加のデータソートが高速化される
- OR条件またはIN/ANYコンスタントリストを含むクエリにおいてCREATE STATISTICSによって作成される拡張統計データを利用できるように変更。これによってパフォーマンスの向上とよりよいプラニングの実現が可能
- 大規模な集合セットを持つハッシュ集合にディスクストレージを使用できるように変更
- パーティション機能の改善とクエリ全体の実行時間の短縮
- パーティションテーブルにおけるBEFORE低レベルトリガーのサポート追加
- パーティション化されたテーブルを論理レプリケーション経由で完全にレプリケーションできるように変更
- FETCH FIRST WITH TIESといったより便利なクエリ機能の追加
- jsonpathクエリに対して日時文字列を適切なdata/timeデータ型に変換する.datetime()関数の追加
- WAL利用統計データ、ストリーミングベースバックアップの進捗データ、ANALYZEコマンドの進捗データなどをトラッキングする機能の追加
- pg_dumpコマンドにダンプる出力の外部データラッパによって参照されているサーバからのデータを含めるようにする--include-foreign-dataオプションを追加
- pg_rewindにスタンバイPostgreSQLインスタンスの設定を行う--write-recovery-confオプションを追加
- WindowsにおけるPostgreSQL操作性の向上
PostgreSQL 13 Beta 1は「PostgreSQL: Downloads」からダウンロードすることができる。PostgreSQLグローバルデベロップメントグループはこのバージョンを運用環境で使用することに関しては推奨していないが、運用環境に近い状況を作って試用することを推奨している。
PostgreSQLは長期にわたってシェアの増加を続けているリレーショナルデータベス管理システム。NoSQLが備える特徴にも対応するなど、長期に渡って採用シーンを広げている。