製薬大手の英アストラゼネカは5月21日(英国時間)、英オックスフォード大学と共同で開発を進めている新型コロナウイルス向けワクチン候補(AZD1222。以前の名称はChAdOx1 nCoV-19)の供給を早ければ2020年9月から始めると発表した。
すでに2020年~2021年にかけて10億回分の生産能力を確保しており、米国向けに3億回分、英国向けに1億回分の合計4億回分の供給契約が結ばれているという。米国保健福祉省(HHS)も5月21日付で、アストラゼネカより同ワクチンを3億回分確保すること、ならびに同契約に基づき、米生物医学先端研究開発局(BARDA)が最大12億ドルの資金を拠出することを明らかにしている。
なお、同ワクチンについてアストラゼネカではまだ初期試験といった段階であり、有効性が確認されない可能性もあるとしているが、HHSでは、今夏にも米国で3万人を対象とした第3相試験を始めたいとしており、アストラゼネカとしても、臨床プログラムの拡大・加速を進めていきたいとしている。