アパレル業界の長年にわたる課題、"在庫過剰"、"衣服ロス"を解決するための新しいソリューションへの取り組みが発表された。ビッグデータやAIを活用したソリューションを提供するブレインパッドは21日、ディノス・セシールのオンラインショップで需給に合わせて価格を変える"ダイナミックプライシング"の手法を取り入れた新しいソリューションを開発、独自の数理最適化アルゴリズムで一定の効果創出を確認したことを発表。今後、実用化を目指して進めて行くという。
"ダイナミックプライシング"とは、商品やサービス価格に一定の標準価格を設定し、需要と供給の状況に合わせて価格を変動させ最大の収益を図る技術。一部、ホテル業界や航空業界で導入されており価格の設定と変動のタイミングが重要な技術ポイントとなっている。ブレインパッドは、ディノス・セシールの蓄積してきた購買データや自社が収集したビックデータを活用し"訪問者予測"と"購買確率予測"の2つの予測モデルと予測モデルをベースに在庫数を用いて最適な販売価格を算出する数理最適化アルゴリズムの開発を行った。
同社では開発の結果、同アルゴリズムで売上改善効果と利益改善効果が見られたことから今回の結果発表となった。同ソリューションはアパレル業界に特化したもので商品のトレンドやデザイン、サイズ、色などでの細分化された商品群など他の業界にない条件を踏まえたもの。ブレインパッドは今後、同技術の実用化を進めると共に技術のソリューション化と同社のマーケティング技術と連携した新サービスの開発を進め、小売・流通業界のDXを推進して行くという。