IT専門調査会社であるIDC Japanは5月18日、国内第3のプラットフォーム向けITサービス市場予測を発表した。
同レポートは、第3のプラットフォーム向けITサービス市場の2019年の実績と、2020年~2024年の市場予測を4つの主要技術分野別(クラウド向け、ビジネスアナリティクス向け、エンタープライズモビリティ向け、ソーシャルビジネス向け)にまとめたもの。市場予測は、2020年3月末時点における新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の影響および見通しを考慮したものとなっている
これによると、2019年の国内第3のプラットフォーム向けITサービス市場は、4つの主要技術分野全てで2桁の高成長を遂げたという。2020年はCOVID-19による影響を受け、いずれの分野においても前年比成長率が低下するが、それでも2桁の成長率を維持し、2021年以降もデジタルトランスフォーメーション(DX)に関わる需要に牽引され、高成長を継続していくとIDCでは予測している。
同市場は、2019年~2024年の年間平均成長率(CAGR)26.1%で、2024年には5兆6,819億円に達するとIDCでは予測しているが、予測期間の後半になるほど4分野間における重複領域は拡大するため、実際の市場規模はこれよりも小さくなるとしている。
4分野のうち最大市場である国内クラウド向けITサービス市場は、2019年の支出額が前年比34.3%増の9,392億円となった。COVID-19の影響による企業のビジネスモデルや従業員の働き方の変化は、2021年以降のクラウド向けITサービス市場拡大の促進要因となり、同市場は2019年~2024年のCAGR 33.0%と高い成長率を維持し、2024年には3兆9,145億円に達すると同社は予測している。
IDC Japan ITサービス グループマネージャーの植村卓弥氏は、次のようにコメントしている。「COVID-19は、2021年以降における国内ITサービス市場における、第2のプラットフォーム向けから第3のプラットフォーム向けへの移行を、より加速させる効果をもたらすであろう。ITサービスベンダーはこれまで以上に迅速に、新たなサービスへの適応を進める必要がある」