新型コロナの簡便な検査キットが国内承認を取得
富士レビオは5月13日、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の抗原を簡便に検出できる検査キットの製造販売承認を取得し、「エスプライン SARS-CoV-2」の製品名で体外診断用医薬品として販売することを発表した。
同キットは感染症における抗原検出法の1つである酵素免疫測定法とイムノクロマトグラフィ技術を組み合わせた迅速診断プラットフォームを活用したもので、鼻咽頭拭い液を検体とし、摂取した検体中に含まれる新型コロナウイルスの抗原を検出することを可能とする。
抗原とは?
抗原とは、病原性のウイルスや細菌など、生体の免疫応答を引き起こす存在で、簡単に言ってしまえば、体内に特定の抗原があることが分かれば、その疾病に罹っているいるということとなる。すでにインフルエンザウイルスの診断などにも活用されてきた技術であり、同社でもインフルエンザのほか、B型肝炎ウイルスやHIV向けの迅速診断キットを医療機関などに提供してきた。
新型コロナの判定時間は30分
今回の新型コロナウイルスでは、同社が独自に樹立した複数種類の抗体を用いて新型コロナウイルス内部のたんぱく質を捕捉し、酵素反応による発色原理を応用することで、反応開始から30分(陽性判定:約10~30分、陰性判定:30分)で判定が可能だとしている。
生産量は週産20万テスト分
なお、同キットは1キットあたり100テスト分が包装される形で提供される。また、生産は同社の宇部工場が担当し、生産体制としては1週間あたり20万テスト分となるとしている。