米国半導体工業会(Semiconductor Industry Association:SIA)は、2020年の第1四半期、ならびに2020年3月の半導体市場規模を発表した。
それによると、同四半期は前四半期比3.6%減の349億ドルとなったが、2020年3月単体で見ると、前月比0.9%増、前年同月比6.9%増と上昇傾向にあるという。
第1四半期は季節的な閑散期にあたり、繁忙期の第4四半期から売り上げが落ちるのはいつものことだが、3月の市場の動きがマイナスになっていないことについては、新型コロナウイルスの影響がまだ半導体業界には出ていないためのようだとSIAでは見ている。これは、半導体を搭載した各種最終製品の需要が落ち込み、それが半導体の出荷に影響をおよぼすまでにタイムラグがあるためだと思われる。なお、これらのデータはWorld Semiconductor Trade Statistics(WSTS)によって集計されたものをベースにしており、SIAは3か月の移動平均値の形で発表している。
SIAのプレジデント兼CEOのJohn Neuffer氏は、「第1四半期の半導体市場は、前四半期と比べて多少落ち込んだが、3月の数値だけを見れば前月比、前年同月比ともに増加した。これは、新型コロナウイルスの影響がまだデータ上には現れていないためで、パンデミックによる継続的なマクロ経済の混乱により、半導体市場には今後数ヶ月に渡る大きな不確実性がある」と述べている。
なお、地域別の市場規模は欧州が前月比4.0%増、前年同月比1.1%減、アジア太平洋/その他が前月比2.2%増、前年同月比4.6%増、米州が前月比1.1%増、前年同月比21.8%増、中国が前月比0.2%減、前年同月比4.5%増、および日本が前月比2.1%減、前年同月比1.0%増となっている。